肉体的快感よりも達成感!? フィストファックの醍醐味とは

※イメージ画像 photo by d o l f i from flickr

 飲み会やコンパなどの下ネタトークで、初体験や経験人数の話題と並んで、「今までに体験したうち、1番凄かったプレイは何か?」という会話が交わされることがある。その際、もっとも多く挙がるのがアオカン……いわゆる屋外プレイである(カーセックスも含む)。ほか、異物(アダルトグッズなど)の併用、アナル責めなどが一般的だろう。中には、かなりハードな経験がある者もいるが、それでも「フィストファック」の経験者は、滅多にいないのが現状である。

 フィストファックとは、名の示すとおり、握り拳を膣に挿入するプレイのこと。そういえば、新撰組局長の近藤勇は、握り拳が口にすっぽり入るほど口が大きかったというが、口よりも膣のほうが、明らかにハードルは高いだろう。女性の膣は、出産のためにそれなりに拡がる構造になっているが、だからといって女性が皆、フィストファック可能とは思えない。

 なお、「先に握り拳を作ってから挿入するもの」と誤解されがちだが、フィストファック経験者によると、最初は通常の指マン同様に、1本指から始めるとのこと。そこから徐々に指を増やしていき、5本指が全て入った後から、ようやく手首まで挿入するという。確かに、いきなり握り拳を挿入するというのは、相当な巨陰女性でも難しいだろう。加えて、かなり多量の潤滑剤(ローション)も要するという。ほか、挿入する側は、爪は短く切っておかなければならない・手が元から大きすぎる者はフィストファックに不向きなど、様々な条件をクリアしなければ、フィストファックを経験することは難しいようだ。

 ここまで読んで、「一般人には無縁のプレイ」と思った人がほとんどだろう。然るべき調教を受けたSMクラブ勤務のM嬢を相手にするならまだしも、素人のカップルでフィストファックに挑戦するのは、いささかハードルが高すぎる。と思いきや、素人同士でもフィストファックを楽しんでいるカップルも、少数ではあるが確かに存在する。どうやら、「一般人には全く無縁」というわけでは無さそうだ。

 とはいえ、フィストファックに興味津々という人は、少なくないと想定される。というのも、フィストファックすることの意義であるとか、醍醐味が、我々一般人には伝わってこないからだ。そこで、数少ないフィストファック経験者に、プレイのオススメポイントを聞いてみた。

 まずは、肉体的快感は得られるのかという疑問に関して。この点は、「ペニスで感じる膣の締まり具合と、手首で感じる膣の締まり具合は、全く別物」なのだそう。ほか、膣壁のぬくもりも、ペニスと手で受ける感じは全く異なるという。「最近、ペニスの感覚が鈍ってきた」という男性に向いているプレイかもしれない。

 次に、「達成感」を挙げる者もいた。通常では不可能なプレイを、自分は可能にしたという、免許皆伝のような気分が堪能できるとのこと。よって、一朝一夕でやろうとするのはNG。同じパートナーと、時間をかけて真剣に取り組むプレイである。浮気性の人には合わないだろう。逆に考えると、パートナーが浮気性で困っているという人は、「2人でフィストファックに挑戦しよう!」と提案するのも一興である。浮気したい気分になっても、「今夜は指4本目の日だから、コンパに行っている場合ではない」と、まっすぐ自分の元に来るようになるだろう。

 なお、フィストファックの魅力=達成感という人に、肉体的快感について尋ねたところ、案の定「挿れられている相手の様子を見ることに興奮はするが、己の手が気持ち良いというわけではない」とのこと。挿れられる女性側も、「膣の中がいっぱいになっているという満たされた感覚はあるが、肉体的には痛くて苦しい」とのことだった。もちろん、フィストファックに慣れていけば、肉体的快感も味わえるのだろうが、数回程度で、オーガズムに達するのは難しいようだ。

 ところで、フィストファックは何も膣だけで行なうプレイではない。肛門に握り拳を挿入する、アナルフィストも存在する。ということは、男性も「挿れられる側」になれるということ。しかし、膣に比べてアナルは、そもそも出すべき器官であって、挿れるべき器官ではない。よって、衛生面を考慮すると、ゴム手袋の準備・浣腸など、気を配らなければならない部分は多々ある。それでも、愛する女性と、膣へのペニス挿入以外でひとつになりたいと願う男性にとっては、最高の行為であろう。もし、チャレンジする際は、くれぐれも事前準備をきちんと整えたうえでチャレンジしていただきたいものだ。
(文=菊池 美佳子)

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