前田敦子、AKB総選挙辞退&卒業公演未定のワケ

※卒業を発表し、涙する前田敦子(C)AKS

 先月25日、さいたまスーパーアリーナでグループからの卒業を発表したAKB48前田敦子。この突然の発表は、総合プロデューサーである秋元康いわく、脱退か否かを彼女に委ねていたためとされている。

 前田の卒業は、日程が発表されていないことも相まって連日メディアを騒がせ、彼女の一挙手一投足が普段以上に注目されていた。そんな中、4月4日の読売新聞に「AKB48前田敦子より総選挙についてファンの皆様にお伝えしたいことがあります。」「前田敦子 Google+で検索」と広告が打たれた。これは、6月6日に日本武道館で行われる第4回選抜総選挙に前田が参加するかについて問い合わせが殺到し、前田が「自分の口からファンに気持ちを伝えたい」と申し出たためだという。

 当日、15時に公開されたAKB48のYouTube公式チャンネルの動画で前田は、まずメンバーたちや支えてくれたスタッフ、ファンに感謝を述べた。そして卒業に関しては、随分前から悩んでいたが、一部のメンバーや秋元氏にしか相談していなかったとし、その段階でも「もし、グループの一員ではなくなったらどうしよう」という不安があったと心境を吐露。AKB48は、レコード大賞を受賞、紅白歌合戦出場、今夏予定されている東京ドームなどを経て成長を続けるなか、自身も次のステップに進みたいと感じ、また今後続くであろうメンバーたちのためにも卒業という決断を下したとしている。

 そして、6月6日に開催される第4回総選挙に対し、「AKB48の総選挙は、辞退させていただきたいと思います」と表明した。

 エースとして6年間君臨し続けた前田に対する最後の手向けという意味からも、第4回総選挙に参加すれば1位になる可能性は高かったはずだ。しかし、人気者には常に批判がつきまとうように、彼女にも“アンチファン”は存在する。彼らが他の誰かを1位にすべく動くことも考えられ、仮にそれが実現した場合、前田の“1位のまま不動のエースとしての卒業”という花道に泥を塗られることになる。そういった不測の事態を考えても、前田が総選挙を卒業に場にする可能性は低かったといえる。

 気になる卒業日取りについては、「今の段階で、具体的な卒業の日時はまだ未定です。みなさんとタイミングを相談しているところです」として一切言及しなかった。

 言うまでもなく、国民的アイドルグループのトップの“卒業”はこれ以上ないビッグビジネスであり、卒業公演に限らずさまざまな案件が動く。DVDや写真集、AKB48での活動を振り返るエッセイ本はもとより、おそらく今回の一連の卒業騒動も撮影されていることを考えれば、ドキュメンタリーとして緊急劇場公開という可能性もある。前田の言う「タイミングの相談」とは、これらのビジネス展開を考えた、契約スポンサーやレコード会社、広告代理店などとの調整を示す「大人の事情」であることは間違いないだろう。

 総選挙での卒業の芽が完全に消えた今、AKBが目標に掲げてきた、今年の夏頃とされる東京ドーム公演での卒業の可能性がもっとも高いと思えるが……。

「確かにAKBの悲願であった東京ドーム公演で、絶対的エース前田が卒業するという物語は美しいですが、ビジネスとして関わっている人たちはそんなに感傷的ではありません。関係者からすれば、できればNHK紅白歌合戦出場=年内まで引っ張りたいというのが本音ではないでしょうか。卒業までの期間が長ければ長いほどビジネスの幅が広がりますし、運営側にしてもAKBを失速させないための次の一手を打つこともできるのでは」(芸能ライター)

 今回もまた発表されなかった前田敦子の卒業公演。現在もすでに「辞める辞める詐欺」と揶揄されているが、今後の卒業ビジネスを円滑に進めるためにも、世の中の関心が薄れる前に発表されるといいのだが……。
(文=木嶋陽介)

『前田敦子写真集「不器用」』

 
卒業までになにをするのかな?

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