他者からの理解は得にくい!? 巨根コンプレックスとは

※イメージ画像 photo by Wm Jas from flickr

 他者から見ると「羨ましい」かもしれないが、自分自身ではコンプレックスに感じている部分がある、という人も少なくないだろう。例えば、食が細いことを悩んでいる人がいる。メタボに悩む現代人から見れば、「わずかな量で満腹感が満たされるとは羨ましい!」といったところだが、小学校の頃に給食を完食できず居残りさせられたり、大人になってからもバイキングやワリカンの会食では「確実に損をしている」という。男女別だと、女性からは「天然パーマ」にコンプレックスがあるという声があがった。周囲からは、「まとめ髪しやすい」「パーマ代がかからなくて羨ましい」と言われるようだが、本人はストレートパーマに憧れているとのこと。

 男性の場合は、なんといっても「ペニスの大きさ」だろう。もちろん、巨根だからといって、セックスが素晴らしいとは限らない。そのことを頭ではわかっていても、「大は小を兼ねる」ということわざの影響なのか、巨根男性=羨望の対象となっているのが現状である。

 ところで、基本的なことだが、巨根とは何センチ以上を指すのか? ペニスにもっとも親しんでいるであろう、ハッテンバに出入りするゲイ男性に意見を求めたところ、「19センチ」という答えが返ってきた。なんでも、巨根男性限定の入場料割引サービスを設けている店も存在するそうで、割引対象となるのが19センチ以上なのだそう。日本人の平均は、だいたい12~14センチと言われているなか、19センチは確かに大きい。女性側にも聞いてみよう。ペニスを見慣れているといったら、なんといっても風俗嬢たちである。彼女たちの回答は、「数カ月に1回、20センチ超えを見かけるかも」という、なんとも曖昧なものだった。業務として1日数本のペニスに向き合う彼女たちは、そこまで明確にサイズを意識していないのかもしれない。なお、余談ではあるが、「異性愛者より、同性愛者のペニスのほうが大きい」という研究結果も報告されている。真偽のほどは定かではないが、胎児の時に子宮内で浴びる、男性生殖ホルモンが関係しているとのことだった。

 さて、このようにペニスのサイズは何かと話題になるものだが、巨根を持つ当の本人は、己のペニスをどう認識しているのだろうか? やはり、誇らしく思うものなのだろうか? と思いきや、意外にも「大きなペニスがコンプレックスである」という声が寄せられた。短小に悩む男性から見れば、贅沢な悩みである。具体的に、巨根で不自由したことは何かと訊ねてみると、セックス時に困るという意見がダントツだった。大きすぎることで、相手女性から「痛い」「奥まで挿れないで」と言われてしまうのだ。コンドームも、ラージサイズはやや値が張ってしまう。後背位など夢のまた夢で、アナルセックスなど考えたこともない、とのこと。

 ほかにも、「トラウマというほどではないが、思春期の頃にからかわれた経験を引きずっているかも」という人がいた。トイレでの排尿時、級友に巨根がバレてしまい、女子にもバラされて恥ずかしい思いをしたようだ。そういえば大人になってからも、飲み会やコンパなどで、「コイツのペニスは、銭湯のイスに座ると先端が床に触れる」などの話題が出ることがある。囃したてる側は、冗談のつもりでも、巨根者本人は心で泣いているのかもしれないので、巨根話をする際は注意が必要だろう。

 そして、日常の様々なシーンでの不具合もあるという。足を組み替える際に、手でそっと微調整したり、走る時に揺れが気になることもあるようだ。特に最近は、ジョギングブームで、現代人は走る機会が多い。また、変わりどころでは、「洋式便器で排便する際、先端が便器に触れそうになりヒヤヒヤした」ということもあるようだ。衛生面を考えると、細心の注意を払って排便に臨まねばならないだろう。

 このように、一見「羨ましい」と思われがちな巨根男性ではあるが、悩みを持つ人も少なくない。よって、世の中全体が、極端な巨根至上主義に走るのはよくない。隣の芝生は青く見える。他者の股間は気にせず、己の股間に自信を持ちたいものである。
(文=菊池 美佳子)

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