男に生まれたからには、やはりペニスをフル活用してなんぼである。といっても、日に何度も小便に行くということではない。ペニスは、泌尿器としての役割だけでなく、性器としての役割も兼ね備えている。ここでは、後者のほうに焦点をあててみよう。
もちろん、性の過激化が加速する一方で、「不特定多数の女性とセックスするのは褒められたことではない」という人も存在する。カノジョがいるにもかかわらず、また相手女性と真剣交際をする気もないのにセックスをするのはよろしくない、というごくまっとうな考え方だ。確かに正論なのだが、男とは、「自分の遺伝子を多く残したい=多くの女性(つまり新規の女性)とセックスしたい」という本能がインプットされているため、脳では分かっていても、下半身がいうことを聞かないものである。
そういった男性のニーズに答えるべく、巷には「ヤレる女を見分けるハウツー」がごまんと存在する。「ぺったんこ靴の女はヤレる!」だの「髪の毛がプリンの女はヤレる!」だの、様々な俗説が飛び交い、コンパや飲み会では、それらの情報にあわせて女性を品定めしているという者も少なくないはずだ。
だが、そういった通説に躍らされ、肝心な部分をおさえていない男性が多いように見受けられる。「ヤリたがっている女たちも、ヤレる男を見分けるのに必死である」ということだ。そう、性欲があるのは男性だけではない。当然、女性にも性欲はある。いや、むしろ一般的には、ある一定の年齢を過ぎると、女性のほうが性欲上昇の傾向にあるというデータもあるくらいだ。そういった女性たちに対して、貴方は「ヤレる男」であることがアピールできているだろうか?
まず、「ヤリたがっている女とは、本当に存在するものなのか?」と首を傾げる人もいるだろう。おそらく、ほとんどの人が、「ヤリたがっている女など、見たことがない」と思うかもしれない。見たことがないのは当然である。性欲旺盛な女性とて、決して動物ではない。あからさまに「セックスしよ」という女性は、90年代のドラマくらいだ。
彼女たちは、なぜストレートに「セックスしよ」と言わないのか? 答えは単純明解で、「ムダな恥はかきたくない」という理由からである。男性から女性を誘って断られるのは、「ガードの固い女性だったんだな」という解釈が成り立つが、女性から男性にアプローチして断られるというのは、仮に別の理由があったとしても、「女性に性的魅力がない」という解釈になってしまう。それが、女性たちに足踏みをさせてしまっている所以というわけだ。
よって、男女間の腹の探り合いでは、とにかく分かりやすい態度をとることが重要である。といっても、下ネタ全開でアピールせよ、ということではない。ヤリたがっている女とて、情緒は大事にしたいところ。よって、エロ話を繰り広げるよりも、「俺は、キミにムダな恥はかかせない」ことをプレゼンしたほうが近道である。分かりやすい例としては、「好みのタイプ」を聞かれた時の答え方。間違っても、「メンクイである」などと発言してはならない。よほどの自信家は別として、ほとんどの女性は敬遠してしまう。
ほか、誠実さ・真面目さをアピールしても、即ハメには結びつかない。「浮気だなんて考えられない」などの言葉で寄ってくるのは、一回寝ただけで真剣交際を求めてくるような面倒な女性ばかりだ。即ハメ女性をゲットしたいなら、恋愛論よりも、「今は遊びたい時期」というスタンスがベター。「遊びたい」という言葉はなんとも便利なもので、「趣味や男友達との付き合いを大事にしたい」という意味も「様々な女性とセックスしたい」という意味も持つ。その部分にはあえて触れず、相手に解釈を委ねるといいだろう。
メンクイ発言もダメ、誠実アピールもダメ……では何をプレゼンすべきか? それは、「明日が休みであること」「一人暮らしである」などの、状況説明である。ヤリたがっている女は、常にアンテナを張っているので、そういったトスは必ず拾うはずだ。「私も休みだから、二軒目行っちゃう?」「どんな家に住んでいるの?」など、女性側としては非常にアタックが打ちやすい会話内容ということになる。
上記トークは、決して難しくはない。「ヤレる女」を血眼になって探すよりは、「ヤレる男アピール」のほうが手っ取り早いはずだ。「据え膳食わぬ男」が増殖しつつある現代において、「女性に恥をかかせない男」の需要があがる日もそう遠くないはずである。
(文=菊池 美佳子)