──巨大化までいかない高身長の女性に興奮するというタイプもいると思いますが、それは巨大娘に含まれるのでしょうか。
鳥山 それは「リアルGTS(※6)」と呼ばれる分類ですが、巨大娘としては含まないことになっています。しかし、M男性が主人公で踏みつけや顔面騎乗の要素が入ってる場合はコッソリ含めていますね。
(※6)実在する高身長の女性や、そうした女性と同程度に背が高い架空のキャラクターを指し、「巨女」とも呼ばれる。具体例としては『The・かぼちゃワイン』(三浦みつる著/講談社)の浅丘夏美や、アニメ『美少女戦士セーラームーン』の木野まこと、アニメ『超時空要塞マクロス』のクローディア・ラサールなどが該当する。
──巨大娘フェチに含まれないサイズフェチにはどんなものがあるのでしょう。
鳥山 例えば「変身巨大化」の分類では、ウルトラの母などが好きな人たちがいるんですけど、あれはどっちかというと全身タイツフェチの人たちですね。また、アニメ『マジンガーZ』のアフロダイAなどの女性型巨大ロボットも巨大娘の亜種として扱われますが、また別のフェチの人が好んでいるようです。ただ、サイズフェチ界の中でも、自分が縮小化して女の子のパンツを見たいという人たちにとっては、どちらも絶対にパンツが見えないのでフェチとして価値が無い。なので、よく揉めてます(笑)。
──最後に「巨大娘研究」に興味を持った人や読者へのメッセージをお願いします。
鳥山 共著者の嵯峨さんは、自分の性癖で悩んでいる人たちに「君だけじゃない」というメッセージを発したいという意図が大きいようですね。私としては、散逸しない形で「巨大娘」を扱った作品の資料を残したいという思いが強いです。しかし、フェチだけで集めるとバラバラになってしまうので、しっかりと作品の評価もしてあります。作品によっては、ちゃんと残さなければ消えてしまうカルチャーですから、意義のある本になったと思っています。
(取材・文=佐藤勇馬/Yellow Tear Drops)