『若妻不倫温泉 27』◆メーカー：S級素人◆品番：SAMA-515◆時間：150分◆価格：2,079円
若く美しい人妻との一泊二日の逃避行を記録した不倫旅行シリーズ『若妻不倫温泉』。不倫旅行作品といえば、ドキュメンタリーな内容が多いが、このシリーズの特徴は、人妻と不倫旅行を楽しみたいと願う人のための疑似体験映像になっているところ。人妻の自己紹介的なインタビューなどはなく、自然に交わされる会話の端々から二人の関係性を探っていくことで、どんどんと妄想が膨らんでいくという構成になっている。これが、若い世代から熟年まで幅広い年齢層に受ける、人気の秘訣だ。
人妻が男の車に乗り込む待ち合わせのシーンからスタートするのが本シリーズのお決まりで、そこから二人の関係がなんとなく示される。たとえば部長と元部下、店長とパート社員など。ところが、本作は明らかに雰囲気が違っている。二人の関係性どころか、人妻の正体まで明らかにされず、一見すると生活感すらない。しかし、魅力がないわけではなく、むしろ逆。この人妻、若いのにとんでもなく落ちつきがあり、時折男性を翻弄するような言葉をはいては、その度にドキリとさせてくれるのだ。
「自分だって、嘘つきでしょ？ ……うふふ。おかしな人」
旦那に嘘をついて家を出てきた彼女は、男性につっこまれると、大人びた笑みを浮かべながら低い声でこう答える。男を共犯者だと言わんばかりのミステリアスな物言いは、ただの不倫妻とは一味違う危険な薫りを漂わせる。こんな女に狂わされてみたい。そんな願望にさえ駆られてしまう。
そんなわけで、今回の不倫旅行は、これまでにない罪作りな内容となっている。男に山道に停めた車の中でフェラをするように命じられると、小悪魔のような目線でチラリとこちらを見ながら、「見られちゃうかもしれないと思うと興奮する」と、セクシーな吐息まじりでこちらを煽り立て即尺。旅館に着き、部屋に入るやいなや、「適当なのかと思ったら綺麗な部屋ね」と、男性にご褒美でも与えるかのような顔でキスを交わす。その直後、桃尻を突き出し、電マ責めされるのだが、本来羞恥プレイであるはずのプレイもまた、男に対する奉仕にしか見えない。
見どころである露天風呂のシーンもまた魅惑的。深い緑に囲まれた情緒あふれる岩風呂の中、夕日を浴びながら激しくもつれ合い、絶叫を響かせ絶頂へ。世間の目の届かぬ場所で、遠慮は無用とばかりの大胆なアクメに驚かされる。
その後はお楽しみの食事シーンになると思いきや、ここでサプライズが。温泉と部屋を繋ぐ薄暗い赤廊下で、吊るし緊縛プレイ！ はだけた浴衣姿でモゾモゾとあえぐ人妻の姿は一層悩ましく、もっと責めてと言わんばかりの淫乱な視線は、鑑賞する者もこの罪深い旅の共犯者にしようと誘っているよう。彼女のような女性を”女郎蜘蛛”と呼ぶのだろうか？ バイブを出し入れされ、ヌラヌラと光る蜜壺を見せつける様子が、奥に誘い込もうとする淫靡な罠であるようにしか見えない。
豪華な夕食も早々に、白くムッチリした素肌で男を誘い、深夜まで身体を重ね続ける彼女。暗闇に浮かび上がる肉づいた白肌のシルエットが、妖しくも美しい。「んふっ、あぁ～ん」と、悩ましい声が暗い部屋に響き、こちらに視線を向けられる度に、深い淫欲に引きずり込まれていく感じがした。
罪深い人妻ほど癖になる毒薬はない、のだと思い知らされた作品だった。シリーズの中の一本にしておくには惜しい、思わぬ傑作である。
（文＝文月みほ）
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