業界関係者らや2ちゃんねらーなど一部のネットユーザーから圧倒的な支持を受けながらも、3月いっぱいでの放送終了予定となっているバラエティ番組『クイズ!タレント名鑑』(TBS系)。くだらないことに本気で取り組む姿勢は80年代のバラエティを彷彿とさせる内容で、「ガチ相撲」など多くの人気企画を送り出してきた番組の終了は残念で仕方がない。そんな近頃珍しい骨のある番組が、「芸能人のみなさんすいません」と前置きしながら放送した26日の「芸能人ガチアンケート」が話題を集めている。
今年1月に調査をしたという芸能人に対する意識調査。全国の10代から60代の男女5,000人を対象にしたというアンケートでは、「”本当に”抱かれたい芸能人」「”本当に”好きな女子アナ」「”本当に”面白いと思う芸能人」「”本当に”恋人にしたい女性芸能人」「”本当に”好きな司会者」「”本当に”好きな芸能人」の6項目が調査された。それぞれのトップ3は以下のようになっていた。
“本当に”抱かれたい芸能人
1位 向井理
2位 福山雅治
3位 木村拓哉
“本当に”好きな女子アナ
1位 加藤綾子
2位 高島彩
3位 西尾由佳里
“本当に”面白いと思う芸能人
1位 明石家さんま
2位 松本人志
3位 山崎弘也
“本当に”恋人にしたい女性芸能人
1位 綾瀬はるか
2位 新垣結衣
3位 上戸綾
“本当に”好きな司会者
1位 明石家さんま
2位 上田晋也
3位 タモリ
“本当に”好きな芸能人
1位 明石家さんま
2位 福山雅治
3位 向井理
ほとんどの項目においてほぼ順当と思えるアンケート結果。やはり”ガチ”で調査するとこうなるのだろう。そんな中、唯一記者が意外に感じたのは、「好きな司会者」で3位にランクインしたタモリ。なぜなら、記者は近頃のタモリを”司会者”というより”素敵な置物”として見ていたからだ。「MC対ひな檀」という番組が主流の中で、その流れに乗らず淡々と司会をこなしているタモリの司会者としての評価は、やはり30年近くお昼の番組を担当してきたことで揺るがないものになっているのかもしれない。
それにしても「面白い芸能人」「好きな司会者」「好きな芸能人」の三冠を獲得した明石家さんまの人気は圧倒的だ。彼が日本のテレビ史におけるMVPと言われるゆえんも、この圧倒的な人気のおかげなのだろう。しかしそんな彼も、昨年、自身のラジオ番組で60歳を境に一線から退く旨の発言をしている。正式な引退表明などという大それたものではないが、30年以上に渡りテレビバラエティを先頭で引っ張って来た彼が潮時を考える年齢になったのは間違いないだろう。
まさに人気実力とも不世出の存在といえる明石家さんま。そんな彼に続く芸能人はなかなか簡単には見つからないだろう。それでも同番組のアンケート結果を注意深く見てみると1人の芸人の名前が浮かんでくる。それが有吉弘行だ。
全ての項目で彼がトップ3入りすることはなかったが、「面白い芸能人」で4位にランクインし、「好きな芸能人」では13位だったという有吉。ダウンタウンの松本人志やナインティナインの岡村隆史などを除く、若手中堅クラスの芸人としては抜群の好成績だったといえる。さらに注目すべきは「抱かれたい芸能人」で64位ということ。数字が大きいので大したことないように思うが、芸人としては3番目という女性からの人気は侮れない。まして、普段の言動からしてセックスアピールのない彼が、これほどの女性票を獲得していたという事実は、潜在的な人気を示すものといえるだろう。また、年代別の結果において、10代で3位にランキングされたという点も、有吉の未来を明るいものにする。
残念ながら、「好きな司会者」という項目では一切かすりもしなかった有吉だが、今回のアンケートでは世間からの好感度が高いことを印象付けた。やがて司会者として活躍する日も近いことだろう。活躍の場さえあれば、視聴者は彼を司会者として認識する。20年後の調査では、有吉弘行という名前が芸能界の三冠王になっているかもしれない。
(文=峯尾/http://mineoneo.exblog.jp/)
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