芸能取材歴30年以上、タブー知らずのベテランジャーナリストが、芸能界の裏側に横たわるオトコとオンナの深い業を掘り起こします。
女優の桃井かおりが、沢尻エリカの銀幕復帰第1弾映画『ヘルタースケルター』に出演するという。桃井といえば、昨年暮れに、そのわがままぶりに愛想をつかされ、11年続いた三菱東京UFJ銀行系消費者金融会社「モビット」のCMを契約更改してもらえなかったという”降板騒動”を起こしたばかり。
そんな桃井に関して、忘れられないのは、故・夏目雅子さんをイジメ抜いたという話だ。1981年に桃井主演の日本テレビのドラマ『ダウンタウン物語』に夏目さんが出演。当時、夏目さんは、その後結婚することになる作家の伊集院静さんとの熱愛がウワサされていた。伊集院さんを気に入っていた桃井は、夏目さんに嫉妬。番組収録で夏目さんにNGを出し続け、深夜までイジメ抜き、共演者や番組スタッフを激怒させたこともあった。桃井に呆れていた共演者のひとりに、東映の大部屋出身の故・川谷拓三さんがいた。彼は「桃井かおりとは二度と仕事をしたくない」と公言していた。
川谷さんとは何度か飲んだことがある。酒が入るとハチャメチャになるが、普段は温厚な役者だった。その彼が、あそこまではっきり共演拒否をするのだから、桃井のわがままは相当なものだったに違いない。2人とも、萩原健一主演のドラマ『前略おふくろ様』(日本テレビ系)で名を知らしめた仲だったが、決して良好な関係を築いていたわけではなかったようだ。
桃井のわがままの矛先は、共演者やスタッフ以外にも向いていた。過去についた歴代のマネジャーも口を揃えて、「桃井とは二度と仕事をしたくない」と言っていた。桃井は、自分の要求が通らないとマネジャーのせいにし、クビにされた者が何人もいたという。中には、「この人を使うな」といった内容の回状を、芸能界で回されたマネジャーもいたという。
おそらく、桃井ほどマネジャーが変わった女優はいないだろう。その後も、桃井がドラマや映画で台本を無視してアドリブを連発して、共演者を困らせたという話は聞こえてきたが、05年にハリウッド映画に初出演してから、そんな話も聞かなくなってきた。桃井も年を取るごとに丸くなったのだな、と思っていた。ところが、昨年末の「モビット」CMの降板騒動。ここでも制作者の意図に従わない言動を連発したとか。わがまま病が再発したようだ。
その桃井が、『ヘルタースケルター』では、沢尻演じる女優の事務所社長を演じる。沢尻といえば、こちらも所属事務所の意向を無視した行動で散々世間を騒がせた、折り紙つきのわがまま女優。しかもプライドは人一倍高いといわれている。桃井が台本無視のアドリブを連発したら、主演として黙っているはずがない。すでに映画はクランクインしている。新旧わがまま女優のバトルは映画以上に興味がそそられそうだ。
(文=本多圭)
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