人気ラジオ番組『キラ☆キラ』(TBS系)でメインパーソナリティーを務める小島慶子が、今年の3月一杯で番組を降板するというニュースがネット上を駆け巡っている。小島といえば、『キラ☆キラ』での人気沸騰後フリーに転身、雑誌でグラビアを披露するなど、まさに中年女性の星として八面六臂の大活躍。近頃はテレビでの露出も増え、TBSアナウンサーとして活動していたころとは人気・知名度ともに比べ物にならないのは言うまでもないだろう。
そんな小島の魅力といえば、以前彼女が担当していた『BATTLE TALK RADIO アクセス』(TBS系)で見せていた抜群の読解力と理路整然とした説明能力といえる。当時リスナーだった記者も、彼女の頭の良さには終始脱帽するしかなかったのを覚えている。そしてもう1つの彼女の魅力といえば、『キラ☆キラ』で本領を発揮した”歯に衣着せぬ物言い”だ。
2009年3月から始まった同番組は、そんな小島の本音トークで話題を集め、雑誌で特集されるほどの人気を獲得。いつしか小島は”ラジオの女王”などと言われるようになっていた。その後フリーに転身した後は、ラジオに限らず雑誌やテレビなど、さまざまなメディアで活躍の場を広げた小島。その多くのメディアが彼女に期待したのは”歯に衣着せぬ物言い”だったのは言うまでもない。
たとえば今月17日に放送された『なかよしテレビ 日中韓!ホンネで言いたい放題SP』(フジテレビ系)に出演した小島は、番組の後半になってようやく発言(もちろん収録では喋っていただろうが)。中国人ジャーナリストの「小島さん。それは甘えてるよ」という言葉に対して、「今日初めて会ったおっさんに甘えているとか言われたくないんだよ!」と叫ぶ。『アクセス』で見せていた理路整然とした受け答えとは程遠い感情的な発言。しかも反論に対して逆ギレで答えるというお粗末さ。明らかに制作サイドから”歯に衣着せぬ物言い”を期待されて、無理やり搾り出した自演的なものだったのではないだろうか。
彼女の発言の全てが自己演出的に本音を披露させているとは言わないが、近頃のテレビで見かける彼女はどこか無理やり感が否めない。しかも、その本音の演じ方が間違っているように思える。
そもそも、誰もが思っているけど口に出しては言わないといった刺激的な発言(いわゆる毒舌)は、マイノリティにこそ許された特権といえる。ゲイであるからこそ、マツコ・デラックスはそれを許容されているし、どん底の生活を送っていたという経験があるからこそ有吉弘行は堂々と毒を吐けるわけだ。しかし小島は、帰国子女のそこそこ美人で、痩せぎすだがスタイルは良し、TBS出身のエリートで、なにしろブルジョワ臭たっぷりというタイプ。そんな彼女が毒を吐いても、言われた方は傷つくだけだ。発言の全てを包み込めるだけの愛嬌というオブラートがあれば成立するものの、テレビで見る限り、彼女からそれは感じられない。(小島に「おっさん」と罵倒された中国人ジャーナリストが可哀想に見えるのがその証拠といえるだろう)
つまり彼女に毒舌は向かないということ。しかしテレビの番組制作者からすれば、”歯に衣着せぬ物言い”が魅力と認知されている彼女に期待するのは、当然ながら”毒”になるのは仕方ない。だが、容姿が見えないラジオであれば通用した彼女の本音トークも、テレビで、しかも誰かを相手にしての毒舌となると、視聴者は目を背けたくなるに違いない。それほど彼女の個性は強すぎる。しかもその強さにはまるで隙が見当たらない。あの感じで「おっさん」などと罵倒されたら、萎縮するかぶん殴るしかないのではないだろうか。
『キラ☆キラ』降板後の予定はなにも決まっていないという小島だが、テレビを視野に入れているのは先の例からも明らか。もちろん、メディアで活躍する以上それは当然のことといえるが、くれぐれも言動には注意してもらいたいものだ。あなたが毒づくとただのイジメにしか見えませんから。無理しないで下さい。
(文=峯尾/http://mineoneo.exblog.jp/)
著書『松本人志は夏目漱石である!』(宝島社新書)
熟女グラドルとしての活躍もある?