道重さゆみが丸くなった!? 特殊性格アイドルの行く末

 ハンゲームで展開されるオンラインRPG『ドラゴンズネスト』。その中に登場する主要キャラクター「ハロリ」に声をあてているのは、モー娘。道重さゆみだ。

 昨年8月に行なわれた「ハロリ」声優発表会には、道重に加え、なぜか岡本夏生とお笑いコンビの響がゲストとして招かれた。響の存在意義はいまだ不明だが、舌鋒鋭い岡本夏生は、道重のナルシスト振りを際立たせるためのツッコミ役として機能した。

 1月23日に行なわれた同ゲームの今回のイベントには、岡本夏生と似た存在としてのバービー(フォーリンラブ)に加え、Berryz工房・嗣永桃子が登壇。

 この嗣永の出現によって一気にバービーの意味が薄れた、というのも先刻ご承知の貴兄も多いとは思う。嗣永は道重と同事務所所属で、同じくハロプロ、そしてナルシストキャラを前面に打ち出して注目されているということで、まさに道重に追随する存在だ。

 評判の良し悪しは別にして、認知度でいえば道重の方に一日の長があるかもしれない。しかし、最近注目度を高めている嗣永は日の出の勢いだ。

 そんなナルシストでウザいキャラで売る新旧アイドル、その対決構図を使用した企画が『神アイドル!ハロリ 下克上バトル開始!』でこれがお披露目されたのがこの日のイベントだった。

 イベントでは当然【道重vs.嗣永】の舌戦、つまりはどこまで傍若無人にナルシスキャラを発揮できるかの勝負となる。その様子については、某有名動画投稿サイトなどで確認できるのでご覧いただきたい。しかしそこで気になったのは、暴走気味の嗣永を道重がたしなめる場面があったことだ。

「AKBさんに入ったら、総選挙で1位とっちゃうと思うので……」という嗣永に対して「怒られるよ!」と制止するような発言。さらに「(みんな頂点になりたいアイドル戦国時代の中で)自分を褒めるのも大事だと思うんですけど、周りの皆さんを巻き込んで沢山の人から愛されるアイドルを目指すべきなんだなと思いました」と、これまでのナルキャラからの変節とも取れる発言もあった。

 現在のようなバラエティへの出演も殆どなく、TVのレギュラー番組が無かった頃のハングリーな道重だったなら、嗣永のAKBでも1位発言にかぶせて「私だって!」ぐらいのことは言ったに違いない。

 そう思い、最近の道重を見ると、ナルキャラ的な精細を欠いているように見える。

 『ロンドンハーツ』(テレビ朝日系)の準レギュラー出演が話題を呼んだ頃はまだ良かったが、『ザキ神っ! ~ザキヤマさんとゆかいな仲間たち~』(TBS系)になると、周囲に迎合する姿勢が目立ち始め、『いきなり! 黄金伝説。』(テレビ朝日系)の1カ月1万円生活に至っては、モー娘。の現状と自身の立場を憂いて泣き始めるという場面も見せた。もう長いこと鳴かず飛ばずのモー娘。そんなグループのために、辛い1万円生活を頑張ってる私ってケナゲ、泣くという、ごく単純なナルシスト思考の生んだ涙だったとは思うが、「そこで泣かれたら、振り上げた拳のやり場がないじゃない!」と、鬼女を中心とした、女性不支持層を若干、幻滅させた涙でもあっただろう。

 売り出し中の芸人が、「実はこんな暗い過去がありました」と、再現VTRとともに涙混じりに語ったりする番組があるが、あの残念な感じと似ている。「所詮はあの人もフツーの人間だったのか」と看做され、正・負双方の注目度を失い、賑やかし以外の価値がないひな壇芸人となって行くのだ。

 アイドルシーンにおいてもこんなふうに、人気がひと山越えたところで、急速に均質化の波に飲み込まれる者がほとんどだ。

「芸能人全般に言えることでもありますが、特にアイドルはまず目立つことが重要なので、一風変わったキャラクターであることは有利です。しかし、メディアというのは人格を消費することで成り立っていて、その消費量は加速の一途。生き残るには均質化した周囲に同化して、つつましく生きて行くのが賢明な道。そのためには、どんな風に自身の”特殊キャラ”から撤退するかが、その後の芸能生命を左右するといっても過言ではありません」(芸能ライター)

 過去から最近までのキャラの立った女性芸能人を、極めて簡略にではあるが、以下にかいつまんでみた。

【山瀬まみ】
何かとうるさい泣き虫キャラで注目されたが一転、人気番組『テレビ探偵団』(TBS系)では意外に落ち着いた喋りも出来ることが判明。テレビ番組MC、ラジオパーソナリティなど、安定ルートに進むことが出来た。

【篠原ともえ】
ギャグマンガの登場人物のような喋りとボディアクションと、キッチュでポップな独特ファッションが支持を受け「シノラー」ブームを生む。一般から飽きられるとともにサブカル指向が強くなり、支持者も激減。

【小倉優子】
「こりん星のりんごももか姫です」という宇宙人キャラで注目を受けたのが2002年。「こりん星は爆発しました」と発表されたのが2011年。異例に長続きした特殊キャラは、最初から冗談半分だったからか。結婚を経てもバラエティ番組への出演頻度は安定。

【小森純】
元読者モデルでキャバ嬢あがり。歯に衣着せぬぶっちゃけキャラで売ったが、結婚を機に攻撃性は軽減。家庭的な面をアピールし始めるなどマイルドになりつつある。子どもを産んでママドル転向もあるか?

【ローラ】
敬語が苦手なために誰にでもタメ口をきき、時に周囲の空気を凍りつかせるキャラ。しかしよく聞いていると、単にタメ口なのではなく、発言内容自体がとても失礼なケースが多数。「最近、敬語の練習を始めた」というが、タメ口をとったら後に残るのは見た目ぐらいしかないと思うのだが……。

【きゃりーぱみゅぱみゅ】
フルネーム:きゃろらいんちゃろんぷろっぷきゃりーぱみゅぱみゅ。使用言語:きゃりー語。職業:メルヘン倶楽部。将来の夢:お笑い芸人……と、黒歴史化しかねないものが多数ある。最近はモデルだけでなく、歌手としても活躍しつつある彼女、裏原宿のクイーンから、どこまで登り詰めることが出来るか!?

「早晩、飽きられるのが運命ならば、出来るだけキャラを小出しにして長持ちさせるか、早いこと変なキャラは捨てて本来の自分で勝負するしかありません」(前出芸能ライター)

 時代を駆け抜けるのがアイドルの常とはいえ、最近はことに駆け抜ける速度が速すぎるような気がするのだが……。ちなみに道重vs.嗣永の対決は、ハンゲームにログインして可能になるユーザー投票によって行なわれ、勝者が「ハロリ」の声優となる。
 
 ”ハロプロ初の人気投票”ということでも注目されているこの企画。極めてキャラ類似したこの両者の勝負なだけに、勝敗はもちろん、結果を受けての両者の反応に注目だ。
(文=ルート666)

道重さゆみ 写真集『Sayuminglandoll』

 
あのころの道重はもういないのか……

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