新年早々報道されたオリエンタルタジオ・中田敦彦と福田萌の交際発覚ニュース。本人らからの正式なコメントはないものの、関係者の話によれば、昨年春の番組共演をきっかけに愛を育んでいたという2人。年内ゴールインとの報道もあり、2人の交際は真剣そのものだという。一方、年末年始の休暇をハワイで過ごした中田の相方である藤森慎吾は、テレビ各局のワイドショーカメラの前で「脱チャラ男」を宣言。「今年は逆にマジメな方向で」と語る。
「2011年のオリエンタルラジオは、まさに藤森のチャラ男というキャラクターが当たり、セカンドブレイクを果たしました。しかし、本人や周囲の人間、また視聴者が気づいているように、あまりにも彼のキャラクターには無理がありますよね。実はマジメだなんていう評価や分析は、彼のチャラ男キャラがブレイクしてからたびたびネタにされていましたから。それに、これは技術的な問題なのでしょうけど、藤森自身もチャラ男というキャラクターを使いきれていないように感じます。チャラ男一辺倒でテレビに出ているときはいいのですが、そうじゃない場面からチャラ男に切り替えたり、またその逆というパターンでうまくはまっているを見たことがありませんからね(笑)。臨機応変にキャラを使い分ける、というのが彼にはまだできないのでしょう。いっそのこと、常にチャラ男でいるほうがいいと思いますけどね」(バラエティー番組放送作家)
そもそもオリエンタルラジオとは、慶應義塾大学を卒業した中田と明治大学を出ている藤森という芸人の中でも珍しい高学歴コンビ。そんな彼らだからこそ、藤森のチャラ男という軽薄なキャラクターはブレイクしたといえる。(もちろん、藤森という個性とチャラ男がマッチしたのは言うまでもない)さらにいえば、藤森のチャラ男というキャラを影で支えてきたのは、『アメトーーク!』(テレビ朝日系)などで見せている中田の堅物な分析キャラであるのは疑いようがない。特別にスポットを当てられているわけではないが、一昨年あたりから徐々に浸透してきている中田の頭脳派キャラが、2011年の藤森のチャラ男をブレイクさせたといえるのかもしれない。
藤森のチャラ男の影で徐々に芽を出し始めている感のある中田の堅物キャラ。そんな彼のキャラクターが最高に輝く番組が『ヌメロン』(フジテレビ系)だ。昨年の9月に第1回が放送された同番組は、年末に3回目を放送するなど、番組改変期の定番番組として人気を確立しつつある。番組を知らない人のために簡単に説明すると、『ヌメロン』とは対戦相手の選んだ3桁の数字を互いに推理しながら当てるというゲーム。そして、この対戦形式のゲームにおいて、オリラジの中田は無類の強さを誇っている。
「今回、私が勝つ確率は95%以上と言っても過言ではないでしょう」
「神様は選んだみたいですよ。僕をヌメロンにね」(『ヌメロン』内の中田発言)
横浜国立大学を卒業している眞鍋かをりや広島大卒のアンガールズ・田中卓志という頭脳派のタレント陣をまったく寄せ付けない強さを見せる中田。その憎らしいまでの強さに、対戦相手となった眞鍋は「ちょっとドキっとしちゃう」と発言。彼女のこの言葉は、頭脳明晰な中田のキャラクターに不思議な魅力があることを示唆している、といえるだろう。交際の発覚した福田萌も、こういった中田の魅力に惚れているのかもしれない。
数年前から続くクイズ番組ブームの中でも中田は、頭脳派芸人という立ち位置を確立している。しかし、基本的に知識量が問われるクイズ番組では、中田というタレントは大勢の中の1人というのが本当のところだろう。ロザンの宇治原史規や宮崎美子、やくみつるといった面々とは、やはりクイズ番組というカテゴリーにおいて大きく離されていると言わざるを得ない。だが、ヌメロンのような推理力や分析力を必要とするゲームの彼は抜群だ。何より彼には、対戦相手を屈服させる憎たらしさがある。そして、その憎たらしさは視聴者にとって痛快であり、また、見ていて面白いものだ。中田にとっては、大勢と競争するクイズより、1人の相手と対戦するという形式のほうが合っているのだろう。まさにヌメロンは彼の堅物キャラがもっとも輝く舞台だといえる。
2011年、オリエンタルラジオは藤森のチャラ男によって再ブレイクを果たした。藤森自身が言うように、チャラ男の活躍に陰りが見え始めている今、2人を救うのは中田の堅物キャラかもしれない。そして、そんな中田をさらに輝かせるのは、これまで藤森がやってきたチャラ男という軽薄なキャラクターなのは間違いない。
(文=峯尾/http://mineoneo.exblog.jp/)
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やはり賢い男はモテるのか……