誰しも、「憧れのライフスタイル」というものがある。「起業して、高層マンションに住み、外車を乗り回したい」と思う人もいれば、「都会を離れ、田舎でのんびりセミリタイヤ生活が夢」と思い描く人もいるだろう。そういった、様々な形態のライフスタイルの中で、オトコなら一度は「ヤリチン生活を謳歌してみたい!」と夢見るのではないだろうか?
むろん、「ヤリチン願望なんて抱いたこともない!」という清廉潔白な人もいるだろう。とはいえ、ヤリチンのライフスタイルがどのようなものか、多少なりとも興味はあるはずだ。尚、上記の起業家や田舎暮らしは、それなりの初期費用を必要とするが、ヤリチン生活の場合は、資金ゼロ円でも実現できる。確かに、そこそこの小銭を持っていたほうが有利かもしれないが、金持ちでなくともヤリチン生活は可能なのだ。むしろ、財布の中身よりも重要なことがある。
「ピロートーク」という言葉を聞いたことがあるだろうか? ピローとは、「枕」のこと。つまりピロートークとは、枕があるシーンで交わされる会話を指す。といっても、母親が子どもを寝かしつけるのに読み聞かせる昔話のことではない。ここでいうピロートークとは、セックス後の会話という意味である。後戯の一環のようなものだ。
「後戯」と聞くと、いっきにテンションが下がるという男性も少なくないだろう。セックスとは、「前戯・挿入・後戯」で成り立っているわけだが、言うまでもなく主役は「挿入」である。前戯は、己の興奮を高めるためにも重要視すべきもの、と前向きに捉えることも出来るが、後戯ともなると、義務感を感じる男性も多いのではないだろうか?
しかし、射精後は賢者タイム(射精後、性的な事柄に対しての感情が希薄になる時間)に突入する男性と違って、女性とは後戯を重要視する生き物である。オトコとしては、「後戯を重要視するなら、是非お掃除フェラに力を入れてほしい!」と言いたいところだが、ほとんどの女性にとって後戯とは、お掃除フェラではなくピロートークがメインである。
このピロートークの会話術こそが、スマートなヤリチン生活を謳歌する最大のポイントなのだ。「一夜限りの相手のおしゃべりになど付き合っていられるか!」と思うかもしれないが、射精後はいっさい無言で通すというわけにもいかないだろう。そこで、「2012年こそはヤリチンデビューをしたい!」と考えている人は、まずピロートークの注意点をおさえておくと良いだろう。
まず、その場のノリで適当な発言をしてしまわないように留意したいものだ。うっかり、「好きだ」「付き合おう」などと口走ってしまうと、かなり高い確率で女性は本気に捉えてしまう。女性は、セックスによって情が沸くタイプの人が、驚くほど多い。行為前は「遊び慣れた女」を装っていても、行為後は「恋する乙女」に変貌することも充分ありえる。そういった心理状態の女性に、愛だの恋だの囁くのは非常に危険である。ムードに流されないように気を付けよう。万が一、女性側から「私の、どこを気に入って誘ってくれたの?」と、核心に迫った質問が来た場合は、「癒されるところかな」などと曖昧な回答はせず、「オッパイ! 俺、巨乳に目がないんだけど、キミは巨乳なうえに美乳だよね!」など、女性の自尊心を傷つけずにかわす策で切り抜けよう。
次に、これは特に、仕事関係で付き合いがある女性や、仲間内の女性とセックスに及んだ際の注意点なのだが、軽々しく秘密を打ち明けてしまわないこと。肉体的にスッキリすると、心の内もスッキリさせたくなるのか、つい暴露話に及んでしまうパターンもある。政治家でも、情事後はつい気が緩んでしまい、機密事項を漏らしてしまったという失敗例が後を絶たない。いわゆる、ハニートラップというやつだ。我々一般人は、政治家ほど重要な秘密を抱えているわけではないが、それでも「口は災いの元」と身構えておくくらいがちょうどいいだろう。
最後に、ピロートークというと「セックスにまつわる話をしなければ!」と勘違いしてしまう人もいるかもしれないが、決してそうではない。むしろ、「こんなに何回もイカされたのは初めて?」「俺の、デカいけど痛くなかった?」などの発言は、引かれるのがオチである。ピロートークは、雑談程度にとどめておくのが無難である。
「ピロートークを制する者がヤリチン生活を制す!」とまではいかないが、真のヤリチンとは、後味の悪いセックスはしないものである。「終わり良ければ全て良し」という言葉があるように、行為後のピロートークまで気を抜かないよう心がけたいものだ。
(文=菊池 美佳子)