セルフプロデュース写真作品集、発売記念インタビュー

AV女優でも写真家でも「NGナシ」限界も境界も飛び越えて挑戦し続ける才女・照沼ファリーザ!!

AV女優でも写真家でも「NGナシ」限界も境界も飛び越えて挑戦し続ける才女・照沼ファリーザ!!の画像1ついに発売となった照沼ファリーザのセルフプロデュース写真作品集
『照沼ファリーザのワンダーランド 食欲と性欲』(イーストプレス

 「NGナシ」のハードなプレイで、300本以上のAV作品に出演する人気AV女優・晶エリー(元・大沢佑香)……のもうひとつの顔──写真家・照沼ファリーザ。当サイトでも写真エッセイを連載中の彼女が、撮影だけでなく、自らが被写体となり、美術からデザインまですべてを手がけた初のセルフプロデュース写真作品集『照沼ファリーザのワンダーランド 食欲と性欲』(イーストプレス)を刊行した。「エロス」と「カワイイ」を融合させた唯一無二の世界観で、村上隆主催の「GEISAI」でも高い評価を受け、現代美術家・会田誠ともコラボするなど、アート業界から今もっとも注目を集める奇才にインタビューを敢行!

──ようやく作品集が発売ですね。待ちに待ったファンも多いと思います。

「ありがとうございます。本当に、嬉しいです。2008年から撮りためた作品が、ようやく1冊の本にまとまったので、いろんな方に見ていただきたいです」

──今回の作品集は「セルフプロデュース」ということで、写真だけでなく、美術、モデル、デザイン、印刷の発注まですべてをこなされたそうですが。

「もともとは仕事としてではなく、超個人的に始めたものだったので、他者を巻き込んで、という発想は最初からなかったです。自分の中で、しっかりとイメージが固まってから撮るタイプなので、衣装にしても、小道具にしても、メイクにしても、光の感じとかにしても、自分の中のイメージを壊したくなかった、というのもあります。自分で撮りたい写真を撮っている時に、人に見られるのも恥ずかしいし、集中できなそうですし。野外でヌード撮影をするときには、見張りぐらいほしいな~とか思ったことはありましたが(笑)」

──見張りナシで野外ヌード撮影……! 作品集を見ると、写真からも制作上の大変さが垣間見えます。いちばん大変だった部分は?

「もう大変なことだらけでした(笑)。まったくの1人プロジェクトだったので、機材車もないので小道具を運ぶのも一苦労でしたし、野外での撮影も恐かったり寒かったりとか。一番大変だったのは、口の中に虫を入れた写真の撮影のときですね。どうしても虫を口に入れた写真が撮りたくて……。でも、生きたまま口に入れるのは恐いし、動いて撮影も大変そうなので、冷凍庫に入れて凍らせようと思ったんです。3日ぐらい入れておけば完全に凍るかなと思って……。でも、凍った虫を口の中に入れて頑張って撮影をしていたら、いきなり、足がザワザワザワ、、、って動いて生き返っちゃったんですよ! 口の中で。。。その瞬間は本当、身の毛がよだつというか、ゾワ~~ってなって、ぺって吐いちゃいましたね(笑)。野外で撮影した時とかもすごくいっぱい虫がよって来たりとか、実際は虫がすごく苦手なので、毎回冷や汗でした」

──虫がたくさん出てくるので、大好きなのかと思ってました(笑)。では、写真家として、こだわっている部分や、この作品集で見てほしいところは?

「メイク、衣装、小道具など細かい部分も一つずつ見ていただきたいですね。作品集のテーマである『食欲と性欲』から生まれたいろいろな感情が、作品から伝わればいいなあと思います。あとはやっぱり私の体の張りっぷりも注目して欲しいですね! 『このバナナは本当にお尻に入ってるの?』とか、『この虫恐くなかったの?』とか想像しながら見ていただけると嬉しいです(笑)」

AV女優でも写真家でも「NGナシ」限界も境界も飛び越えて挑戦し続ける才女・照沼ファリーザ!!の画像2メンズサイゾー連載 第1回「生理的欲求への恥じらい」より

──ファリーザさんの生い立ち(サウジアラビア生まれ、シリア人と日本人のハーフ)が作品に与えた影響はありますか?

「イスラム圏では、女性が肌をさらす、ということ自体が<ハラーム>といって、いけないことなんですよね。ただ、私はほとんど日本育ちで、あまり文化的な影響を受けずに育っているので、そういった意識はそこまでありません。でも、実はちょっと潔癖性で、性に対する罪悪感みたいなものとか、汚らわしさみたいなものにはけっこう敏感なタイプなんです。その影響というか反動で、性的なものや汚らわしいものに興味を引かれるというのはあると思いますし、作品にも現れているのかもしれません」

──AV女優と写真家、まったく違うベクトルのものをなぜやろうと思ったのでしょう? ふたつの共通点などはありますか?

「単純に最初は、私にとってAVは好きな仕事で、写真は感情のはけ口というか、濃厚な感じの趣味だったんですよね。ただ、自分ではAV女優も写真家もこっちの自分はこうでこっちではこうとか、特に分けて考えてはいません。これはアダルトだからアートじゃないとか、これはアートだからかっこいいとか、そういう風に考えてはいないので、AV女優も、写真も、そのとき興味を持ったことを自然にやっているというだけです」

──最後に、今後の活動予定や、プランを教えてください。

「これからは、例えば照沼ファリーザの写真集のイメージで晶エリー出演でAVを作ってみるとか、写真家とかAVとか別に気にしないで、いろいろ融合させつつ挑戦してみたいと思っています。いま企画を練っているところです。最近は歌のライブもやっているのですが、こちらも続けていってもっと形にしたいです。あとは、写真の作品もまた撮り溜めているので、2冊目の写真集も出せたら幸せです。とにかく、アダルトに限らずいろいろ挑戦していきたいと思っていますので、これからもよろしくお願いします☆」

<プロフィール>
照沼ファリーザ(てるぬま・ふぁりーざ)
写真家、モデル、音楽(作曲、ボーカル)、他に映像制作や、執筆、イベント企画など、様々な表現活動を行っている。写真家としては、2008年デビュー。2009年3月に開催されたアートイベント「GEISAI」において多くの審査委員、アート関係者に絶賛され、リリー・フランキー賞を受賞。一見可愛らしい雰囲気ながらもエロティックでフェティッシュな世界観、キッチュな色彩の斬新な作品が国内外のメディアに取り上げられ話題となる。12月15日、初のセルフプロデュース写真作品集がイースト・プレスより発売(定価3360円)。2005年より、AV女優としても300本以上の作品に出演。現在も晶エリーの女優名で活躍中。