『コスプレ？なにそれ美味しいの？』 女優：椎名彩◆メーカー：h.m.p◆品番：HODV-20742◆時間：120分◆価格：2,940円
衝撃の処女喪失AVデビューを飾ってから早3カ月。それまでは生粋のアニオタ処女だった椎名彩ちゃんが、遂にコスプレ作品で本領発揮!? かと思いきや、ちょっと様子がおかしい。明らかに普通のコスプレ作品とは匂いが違うのだが……。
内容は、無口なコスプレーヤー美少女・彩とオタ彼氏との束の間の同棲生活を中心に、彼の束縛から放たれた彩が、コスプレを餌に様々な男達の間を渡り歩くと、いう超現代風なストーリー。
彼氏相手には猫耳でダラッとセックス、行きずりのサラリーマンとは綾波レイ・コスで素股プレイをするのだが、身につけているプラグスーツはなぜかセパレート。さらに、ドS男とのセックスで着用しているのはアスカ・ラングレー制服バージョンではあるが、ウイッグはかぶってもメイクもせず黒いマユのまんまだったりする。その他、ツインテール・ブルマや女子校生などもあり、どうみても気合いは感じられない。オタ少女が着るコスチュームとは似て非なる衣装ばかりで、とことんユル～くもた～っとした印象なのだ。
しかし、それを非難するのはナンセンスの極み。タイトルを見れば分かる通り、皮肉めいたこのユルさこそが持ち味なのだから。男が喜びそうなコスプレばかりを選び、自己主張もしなければ寝る男にも執着しない。仲良しだった彼氏に対しても、突如「重たい」といって「気持ちいいトコ舐めてあげるから自由にして」と、フェラ抜きしてさっさと家出してしまう。その挙句、最後には「私をめちゃくちゃにして欲しい」と、自暴自棄になって変態男に身を預けていく。
そんな思いすら言葉で発することはなく、テロップで書き綴られるだけの、デジタルなメッセージとして流されていく。
そんな無気力さが、ユルいコスプレセックスと合体した時、驚くべき化学反応が巻き起こる。彼女が快感で静かに喘ぐほど、それが痛々しいエロスとなって画面から溢れだすのだ。それが処女喪失からわずか3カ月で、男に媚びることを覚えてしまった少女から発信されているのかと思うと、ますますせつなくなり、ほっとけない気分になってしまう……。
この作品の特徴のひとつに、ところどころスマホで撮影した映像が盛り込まれていることがある。これは、彩ちゃん自身が記録を望み撮影したもの。自分を大切にしない少女の、矛盾する行為なのかもしれないが、それもまた、胸を締めつける要因となる。
最後に残る余韻は、激しい征服欲。手の平でたやすく転がせそうな美少女の存在が、自分の中に眠る意地汚い独占欲をただただ刺激していく。
（文＝文月みほ）
美味しいよ！
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