「オトコはサイズではない! 勃起力のほうが大切である!」という考え方が主流になりつつある現代は、デカチンでない男性にとっては非常にやりやすい世の中といえるだろう。しかし、サイズでなく勃起力で勝負できる時代とはいえ、その肝心の勃起力が怪しくなってきたという男性も少なくないのではないだろうか? と言われても、おそらく10代の男性はピンと来ないであろう。そういえば、ペニスの勃起角度を手の平に例えて、「10代は親指、20代は人差し指……」と言うこともある。
加齢と共に、勃起角度が下降していくのは決して喜ばしいことではないが、こればっかりは自然の摂理ゆえ、今さらどうこう言っても仕方ない。ところで、年齢と共に下降していくのは、実は勃起角度だけではないということにお気付きだろうか? 実は、「女性に対する好み」も、加齢と共に下がっていっているのだ。といっても、「ランクの低い女性でも抱けるようになった」とか、そういうことではない。体の部位の話である。
まずは10代男性。女性を品定めする際は「顔」を重要視するという声が圧倒的に強い。「女性を選ぶ際は顔である!」というと聞こえは良くないが、ルックスに対する好みは人それぞれ個人差があるだろう。他者にとっては美人でなくても、自分にとっては美しいということも少なくない。そういったケースも含めて、10代は何かと「顔」を重視する傾向にある。この背景にはおそらく、「セックスの醍醐味を理解していない」ということが影響していると考えられる。セックスを覚えたての頃は、どんなカラダの女性が相手でも、セックスが気持ち良く感じるものだ。
次に20代。就職して社会に出ることによって、女性の本質が少しずつ分かってくる年代である。高校生の頃に目にしていたのは素顔の女子ばかりだったが、20代になると、接する女性たちは皆、化粧をしている。最近は、電車内で化粧をする女性も多いことから、「顔は、化粧でだいぶ変わるもの」ということが思い知らされる。そういった事情で、20代は「顔」を重要視する人が少なくなってくるのだ。では、代わりに何を重要視するのかというと「胸」である。20代男性と話していると、「オッパイが大きければ、顔は妥協する」という人が多いことに驚かされる。確かに、顔は化粧で何とでもなるが、オッパイは脱ぐとバレてしまう。
そして30代。このあたりから、いよいよ女性器に重点を置く男性が増えてくる。10代の頃のように、「穴はなんでも気持ちいい!」という単純な思考ではなくなってきているのだろう。「顔がイマイチだろうと、オッパイが小さかろうと、アソコの具合が良ければある程度のことは妥協できる」という考え方だ。とはいえ、カズノコ天井だのミミズ千匹だの、いわゆる「名器」と呼ばれる女性にはなかなかお目にかかれないだろう。よって、女性器を重視するというよりも、セックステクニックを重視するようになる、と言ったほうが相応しいのかもしれない。以前は、スタイルが良ければマグロでもOKというスタンスだった人も、フェラチオ時の舌遣いや騎乗位の腰遣いが良くないと、次に会いたいとは思わなくなるようだ。
では、40代はどうなのだろう? 顔→胸→女性器……と下降してくると、次は「脚」である。四十路になった途端、脚フェチに目覚めたという人がいた。「今さら脚フェチ?」と首を傾げたくなるのだが、どうやらこれには「家庭を持ったこと」が関係しているようだ。40代ともなると、結婚して子どもがいるという男性がグンと増える。家庭を持つ手前、浮気をするわけにもいかない。そうなると、妻以外の女性とどうこうしようということになると、風俗店の利用が手っ取り早い。一般女性との浮気は後ろめたいが、風俗店は浮気には入らないと捉える人が多いようだ。そういった理由から、ホテヘル利用者が多いのが40代という年代なのだが、ホテヘルの醍醐味はなんといっても「素股」である。素股とは、女性の太ももの根元でペニスを挟み摩擦させる疑似本番サービスのこと。素股の名人女性は、本番行為以上の快感を提供することも出来るという。よって、「女性の内ももとはこんなにも良いものだったのか!」ということに気付く男性が増える傾向にあるようだ。
性的なことに限らず、好みが変わるのは決して悪いことではない。もし、「最近、好みが変わってきたなぁ」という自覚がある人は、もしかすると加齢が関係している可能性もある。それを、自然の摂理として受け止めることによって、華麗に加齢していくことが出来るのかもしれない。
(文=菊池 美佳子)