出演する番組が軒並み高視聴率を記録してきた、いわば”視聴率男”として名高い池上彰の神通力に異変が生じていると、22日発売の「日刊ゲンダイ」が報じ話題になっている。もともとNHKで記者やキャスターとして活躍した後、フリージャーナリストとなった池上。彼が地上波でブレイクしたのは、2008年放送の『学べる!!ニュースショー!』(テレビ朝日系)からだった。丁寧な語り口で分かりやすくニュースを解説したことから人気を呼び、同番組終了後も、『そうだったのか!池上彰の学べるニュース』(テレビ朝日系)など、同様のコンセプトでの番組は続いていた。今年3月に生出演した特番『そうだったのか!学べるニュース』(テレビ朝日系)では東日本大震災を解説し、18.0%の視聴率を記録。”視聴率男”の異名の通り、このときはまだ神通力は健在だった。
今年1月、「3月までの収録をもって全てのテレビ・ラジオ出演を控える」旨のコメントを発表し、その理由を「取材や執筆活動に専念したい」としていた池上だったが、春にはレギュラーを降板したものの、なぜか現在もテレビ出演を続けている。このことはネットなどでも話題となったが、東日本大震災の発生により取材費を捻出するためともささやかれているようだ。
しかし、この「出演を控える」発言以降のテレビ出演が、困った事態となっている。10月31日から2週にわたり司会を務めた『池上彰の経済教室』(テレビ東京系)については、それぞれ視聴率が2.8%、3.4%。ゲスト出演した11月14日放送の『日経スペシャル 未来世紀ジパング~沸騰現場の経済学~』(同)についても5.5%という状況だ。これらの番組は月曜夜の特番枠、常に6~9%を記録している時間帯に放送されたにも関わらず、テレ東の及第点に届かなかったという。
軒並み高視聴率を叩き出していた神通力が消えただけでなく、さらに現場では「人柄まで変わった」とささやかれている。これまでは勉強不足のスタッフや取材の甘さに厳しい言葉をぶつけることはあっても、局の企画にケチをつけることはなかった池上だが、最近では「なんでこんなのやるんですか?」と食いつきが悪く、現場のスタッフはこの池上の態度の裏に”意欲の衰え”があると見ているようだ。
「調子が良い時は周りも優しく、人が寄ってくるのは当たり前。視聴率に支配されているテレビ業界にとっては、数字の取れる番組の”顔”ともいえる存在は、いってみれば宝のようなものですよね。しかし一転、視聴率が下がれば、そうもいかないのが実情です。態度が変わった、なんて言われてますけど要するに、視聴率低下により池上さんに価値を見いだせなくなったから、現場の見る目が変わってきた、という側面もあるんじゃないでしょうかね」(芸能ライター)
ところで偶然にも同時期に池上と同じように、神通力が消えたともっぱらささやかれている男がいる。木村拓哉である。制作費20億円と鳴り物入りで始まったドラマ『南極大陸』(TBS系)の視聴率が下がり続けているのだ。
元越冬隊員・北村泰一氏の書籍『南極越冬隊タロジロの真実』(小学館)が原案となっているこのドラマ。時代背景が昭和であるにもかかわらず、木村には昭和の香りが皆無などころか、ネット上でも「いつも同じに見える」「木村は何をやらせても木村だな」など、役を演じきれていないという意見が目立つ。ブレイク中の子役・芦田愛菜の出演を増やすという荒技も繰り出したが、結果はご存知の通り。これまで数々のドラマで高視聴率をたたき出してきた木村だが、「もはやキムタクでは視聴率は取れない」と現場でささやかれるほどの事態となっているようだ。
「キムタク、子ども、そして動物(犬)と無敵のコンボだと思われてたんですが、今のところ残念な結果しか出せていません。”キムタクの神通力”がなくなれば、いずれ池上さんのように性格にまでバッシングが及ぶ恐れもありますし、マイナス面での注目のされ方は、これまでも度々報じられてきた、SMAP解散・独立や離婚などの話へと”飛び火”する可能性もあります。今回の『南極大陸』の一件で、キムタクサイドが次のドラマ出演に関して慎重になることは間違いないでしょうが、うまく起死回生を図れるといいのですが……」(同)
果たして木村も池上のように、「性格にまで変化がおとずれた」とささやかれる事態となるのだろうか。いずれにしても、視聴率至上主義のテレビ業界は、出演者の性格をも変えてしまう恐ろしさをはらんでいるようだ。
(文=近藤チカゲ)
『そうだったのか! 視聴率が下がるわけは』が欲しい