『媚薬の検証』に学ぶ、実践できる精力増強食材

20111020kikuchi.jpg『媚薬の検証』著:川口友万/データ・ハウス刊

 「強いオトコになりたい!」、ほとんどの男性が、心のどこかにそういった願望を持っているであろう。強いオトコとは、果たしてどういうものなのか? 精神的な強さを挙げる人もいるかと思うが、ここでは肉体的な強さ……その中でも特に、下半身の強さに注目してみよう。腕力や腹筋は、トレーニングを積むことによってそれなりの効果を得られるが、下半身ばかりはそうもいかない。成長期を過ぎた大人が、今さらサイズアップを図ることは容易ではないだろう。ほか、挿入後の持久力や、1回戦を終えた後の、2回戦に突入するまでの回復時間が気になっているという人もいるだろう。いや、その前に、そもそも勃起しにくくなったという人もいるのではないだろうか?

 悩みどころは人それぞれ個人差があるとしても、それらをどのように解決したら良いものか、明確な答えを見出している人は少ないように思う。そういった男性たちの思いに、『明確な答え』とまでは言い切れないが、「こんな方法を試してみてはどうだろう」と一石を投じる1冊が発売になった。サイエンスライター・川口友万氏の『媚薬の検証』(データハウス10/21発売)である。媚薬、と聞いた時の人間の反応は、主に2つ。「効くわけがない」と鼻で笑う者もいれば、「効くのなら試してみたい!」と瞳を輝かせる者。本書は、まさに後者のほう。精力増強に効果があるらしい、と言われている食物を、片っ端から試し、その結果を綴った1冊だ。しかも、サソリ・マムシ・蟻など、思わず顔をそむけたくなるような食物……というか昆虫のレポートもある。

 「精力増強に効果があると言われても、昆虫を食べるのは抵抗がある」という人がほとんどかと思われるので、そういった部分は著者の体験談を読んで大いに笑って頂くにとどめておき、ここでは、万人がトライできる食物を紹介していこう。

 まずは、定番中の定番である『ニンニク』。精力増強でなくとも、肉体疲労時にはニンニクを食べるという人は多いだろう。川口氏も、パスタや炒めものとして毎日のように食べているとのことだが、疲れるし眠いし風邪もひくとのこと。ということは、つまり食べ方に問題があるのだろうか? 本書では、酢ニンニクを紹介している。60歳を過ぎても1カ月に15回は男優として女優たちとセックスを重ね、1日1回のオナニーも欠かしたことがないというAV監督が実践している食生活なのだという。いかにも効きそうな気はするし、味も良いとのことだが、いかんせん匂いが強烈すぎるとのこと。下半身の男らしさを取り戻したとしても、口が臭くては女性に引かれるであろう。

 臭くない食物も、もちろん紹介されている。なんと、カマボコ! おせち料理に入っている、あのカマボコのことだ。確かに、カマボコには良質なたんぱく質が多く含まれている。そのうえ安い。とはいえ、少々値段が上がっても、変なつなぎや保存料が入っていないカマボコがベストとのこと。夜食べると翌朝のキレが違うのだそうで、続けて食べることで夜も違ってくるようだ。

 ほかにも、男性自身が試すのではなく、女性が試したエピソードもある。『肥後ずいき』という、ハスイモの茎を乾燥させ、筒状に編んだ江戸時代の張り型である。「アダルトグッズかよ!」と思いきや、肥後の国・熊本県の細川藩が、参勤交代のお土産として徳川将軍家に献上した、由緒正しき品物なのだという。いま現在も、専門店が存在し、ネット通販で手に入るとのこと。これをペニスに巻いて挿入すると、膣が痒くなる。痒くなることで、ペニスに擦りつけようと、どんどん腰が動いて気持ちが高まる仕組みなのだとか。尚、愛液の分泌で痒みは収まるらしく、純粋な官能だけが残るのだそう。これを試したのは、さすがに男性である著者には膣がないので、ピンチヒッターにバイブコレクターのOL・桃子さんを起用。本来はペニスに装着して使うものだが、いわゆる『ひとり遊び』で試用した体験談が紹介されている。それなりに効果があるらしく、放置プレイにはもってこいのようだが、「洗い流しても2日間くらい中に残る感じ」とのことなので、ウブな女性には向かないのかもしれない。

 また、朝鮮人参やフェロモン香水、ナツメグなど、読者が試すかどうかは別として、様々なエピソードと共に綴られている。読んで実際に取り入れるも良し、「オトコは皆、必死なんだなぁ」と哀愁に耽るも良し。いずれにせよ、下半身の調子が気になっている男性には面白く読める1冊だろう。
(文=菊池 美佳子)

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