かつて『A女E女』(フジテレビ系)という番組が放送されていたことを覚えている方はどれくらいいるだろうか?
1997年から98年までフジテレビで放送されていたものの、「低俗すぎる」との批判にさらされ、打ち切りとなったこの番組。催眠状態にされた女性たちが木魚の音や猿のおもちゃが打ち鳴らすシンバルの音によって股間を抑えながら悶え、喘ぐ。ただそれだけの番組であったが、当時、本気か嘘か分からないそのエロスに多くの男性たちが燃えていた。
今の地上波では考えられないが、土曜深夜は『ギルガメッシュないと』(テレビ東京)からこの番組へとエロ番組のはしごすらも可能だったのだ(なお、この番組に出演していた催眠術師は『千里眼』シリーズでベストセラー作家となった松岡圭祐氏であった)。
この番組の功績か、未だに多くの催眠モノAVがリリースされている。では、そんな「催眠」を「妹」にかけて「エロいこと」をしてもらったらどうなるだろう……。そんな妄想を具現化した写真集が『妹に催眠をかけたら成功したのでギリギリのことをしてみた』(マイウェイ出版)だ。
「妹」「制服」「ブルマ」「スクール水着」「裸エプロン」と、あらゆるエロガジェットを駆使しながら、股間に三角定規をあててみたり、乳首をカスタネットで挟んでみたり、はてはお尻にCD-Rを差し込んでみたり、おへそに生卵をのせてみたり、と、男性ならば誰もが一度は妄想したことのあるフェチプレーの、さらに斜め上をいく行為に勤しんでいる。
ただし、この写真集では乳首も隠され、陰毛も写り込んではいない。あくまで「ギリギリ」の一線を超えることはないのだ。過激さを極めるAVに慣らされてしまったわれわれにとって、そのギリギリ感はもどかしさ以外の何物でもないが、股間のアンテナはどんな部分が見えるよりもはるかに強い刺激をキャッチする。
昨今「エロに理解ある女」を示すためか、水着写真集やヌードグラビアを見ながら、「きれい!」「いい体だよね~」と知ったようにのたまう女子は多い。
しかし、男の妄想の美しき結晶ともいえるこの写真集を目にしたならば、そんな彼女たちをもドン引かせることは間違いないだろう。近年、安易に使用され、市民権を得たかのように感じられる「妄想」という言葉。しかし、本来、男子の妄想とはこれほどまでに危険で荒々しいものなのだ。