セックスが上手いか下手かの基準とは?

otonanoseigi0926.jpg※イメージ画像:『大人の性技講座』より

 カラオケに行くと、歌が上手い人と下手な人の差は一目瞭然である。また、男女問わず、料理に関しても、上手いか下手かというのは顕著に現れる。カラオケや料理に限らず、たいていの物事は、上手い下手の基準が明確に設けられているが、セックスに関しては、上手いか下手かの基準が不鮮明なのではないだろうか? それには、セックスが、カラオケや料理とは決定的に違う特質を持っていることが影響している。自分のセックスを他人に見せる機会だとか、他人のセックスを見る機会というのがほとんどない、ということだ。「アダルトビデオを観ればいいではないか?」と考える人もいるだろうが、アダルトビデオはいわばセックスのエンターテインメントであり、我々一般人のセックスとは一線を画している。ハプニングバーや、仲間内でちょっとした間違いが起きて乱交に発展した場合も、他人の視線を意識した上でのセックスということになるので、やはり判断基準にはできない。では、セックスの上手い下手はどのように見分けたら良いのだろうか? 

 相手からの感想を基準にしている、という人もいるが、これは全く参考にならないといっていいだろう。というのも、リップサービス(フェラチオやクンニリングスのことではない、念のため)で「こんなの初めて」「すごく上手」など言い合うことは日常茶飯事。それをいちいち真に受けて、「俺はセックスが上手いようだ!」と思い込んでしまってはいけない。

 次に、「セックスの上手い下手は愛情である!」という考え方もあるが、これに関しては、ここではあえて省かせていただく。というのも、愛を持ち出されると、そこで話が終わってしまうからだ。もちろん、愛のあるセックスは素晴らしいものだし、そのセックスが上手かったら最高である。だが、愛があるからセックスも上手く感じるとは限らない。「カノジョのことは愛しているが、セックスはイマイチ」と感じた経験がある人も少なくないはずだ。

 「愛とはいわないが、相性なのではないか?」という人もいる。確かに、セックスに関する価値観は人それぞれ。とある男性のピストン運動が、A子さんは上手いと感じても、B子さんは下手と感じることもあるだろう。とはいえ、細かい部分は別としても、万人が口をそろえて「上手い!」と思う人も存在するはずだ。

 万人が「上手い」と感じるセックスをする人というのは、男女問わず、数をこなしている人なのではないだろうか? セックスに限らず、たいていの物事は数をこなすと腕前も上達する。中には、何百回セックスしようが、いつまでたってもヘタクソという人もいるかもしれないが、一般的には経験回数10回の男性と、童貞男性では、前者のほうが圧倒的に上手いだろう。もしかすると、生まれつきセックスの才能があり、デビュー戦から花開く人もいるかもしれないが。

 数をこなしている人以外にも、「観察力が優れている人」も、セックスが上手いことが多いようだ。相手のボディサインを見逃さず、かつ、それを実行するか焦らすかの判断が絶妙な人は、セックスが上手いといっていいだろう。バストを責めている最中に、腰の辺りをモゾモゾ動かしているようだったら、下半身にも刺激を欲しがっているということなのだろうし、結合中の体位チェンジなども、相手が疲れていないか、などに気を配れることが重要である。

 ところでセックスは、前戯部門と挿入部門に大きく分かれるが、この2つは比例するとは限らない。キスやペッティングが上手いからといって、ピストン運動も上手いということはない。逆に、腰の振り方は天下一品でも、キスやペッティングはイマイチという人もいるだろう。よって、前戯が盛り上がっても、本番でガッカリさせられたり、逆に前戯がイマイチでも、本番が意外と楽しめたりということもある。両方が上手いに越したことはないのだが。

 なお、上手いか下手かということに対して、男性と女性では多少価値観が異なるようだ。女性の場合は、男性のセックスが上手いことに対して素直に悦ぶ場合がほとんどだが、男性は、女性が上手過ぎると引くという声もあった。「前のオトコに仕込まれたのか?」「風俗店勤務の経験があるのか?」など、過去を気にしてしまうというのが理由とのこと。しかし、女性の過去を気にするよりも、相手がマグロでなかったということに価値を見出したほうが、セックスを楽しめるのではないかと思われる。
(文=菊池 美佳子)

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