白塗り、ゴスロリ、サイバー系などの一風変わったファッションの愛好者たちが、駅前や商店街などを練り歩くイベント「高円寺ファッションウォーク」が17日、サブカルの聖地といわれる東京・高円寺で開催された。
白塗りロックバンド「犬神サーカス団」やガーリーな世界観のテクノポップバンド「アーバンギャルド」などが人気を博し、そういったファッションの愛好者は増えているが、普段は人目を気にしてクラブイベントやライブなどでしか好きな格好ができないという人も多い。
「高円寺ファッションウォーク」では、思い切ったファッションで白昼の街を存分に練り歩くことができるため、参加者たちはとても楽しそうな様子。ただ歩くだけではなく、募金箱を持って、通りがかった人たちに東日本大震災への義援金を呼び掛ける支援活動なども実施した。
参加者たちのファッションは、江戸川乱歩の世界を思わせる白塗りの学生服集団、中世貴族のようなゴージャスドレス、近未来的イメージとゴスロリが融合したサイバーゴシック、アニメチックなコスプレ系、ウサギの着ぐるみ等々、万華鏡のごとく色とりどり百花繚乱。このイベントを見ているだけで、最先端のサブカル系ファッションが分かるのではないかと思えるほどだ。オッパイが強調されたファッションや、服は着ているけれども背中から縄が出ていて中は緊縛された状態というセクシー系ファッションをまとった女の子も。
「東京棲んでるガールズ」のリーダー・ハララビハビコさん。
セクシーなお衣装でした!
ウォーク中は「私たち百鬼夜行みたいかも……」と冷静に自分たちの姿にツッコミを入れる参加者もいたが、街ゆく人たちは奇抜なファッションに面食らいながらも募金活動に協力したり、「おお、カッコイイ」「さすが高円寺だな」などと感心したような言葉を漏らしたりしていた。異様なファッションの集団が休日の商店街に現れれば驚いてしまうところだが、”日本のインド”ともいわれる混沌とした街・高円寺はサブカルチャーやパフォーマンスに理解のある人が多いようだ。
『あらびき団』(TBS系)にも出演した馬のマスクを被ったカルト系パフォーマー・魔ゼルな規犬氏も参戦し、街中で際どいパフォーマンスを披露。孫らしき男の子を連れたお婆ちゃんに絡もうとしたところ、男の子が「やめろ、バカ!」と魔ゼルな氏に激怒。大人でも絡みたくない、得体の知れない馬のマスクからお婆ちゃんを守ろうとする男の子の勇気に感動させられるハプニングシーンであった(そうか?)。
うな中性的な顔立ちだが、口に釘ピアスが2つも貫通していた。痛そう…
主催したカメラマンのnaoさんは、地元・奈良でもファッションウォークを実施し、毎日新聞に取り上げられるなど話題となった。関東遠征となる高円寺は第1回ということで手探りの部分もあったようだが、「高円寺でも続けていきたい」と意気込んでいる。さまざまなファッションが混ざり合ったカオスなイベントだからこそ、ありきたりなファッション誌には起こせない化学反応によって次世代のファッションリーダーを生み出してくれることを期待したい。
(取材・文=佐藤勇馬/Yellow Tear Drops)
■イベント情報
「奈良ファッションウォーク第二回」
10月15日(土) 参加費無料 雨天決行
※詳しくは下記サイトをご覧ください。
http://qhoto.org/nara/nara.html
『うたばん』初登場の際は驚愕しました