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島田紳助の引退騒動について、真相が明らかになるまでは静観する態度を取っていたが、突然の引退発表は、暴力団とのメールのやり取りという「動かぬ証拠」を吉本興業の上層部から突き付けられたというだけではなく、不当な不動産取得の事件絡みの可能性が高いことが、警視庁捜査関係者の取材で明らかになったので報告する。
紳助は大阪、淡路島、それに、沖縄に不動産を10件あまり所有しているが、大阪の物件については、暴力団絡みで不正に取得した疑惑が持ち上がっている。ミナミの心斎橋にある紳助の有名になった”飲食店ビル”はその疑いが濃いようだ。
この土地は、約10年前は競売物件として更地だったという。その土地を暴力団が占有して、金融機関を威圧して債権放棄させて、その後、紳助が任意売却で手に入れたと言われている。占有していた暴力団は今回、親密交際が明らかになった山口組2次団体の「極心連合会」の橋本弘文会長の若い衆だと言われている。このほかに大阪にある3つのテナントビルにも、同様の疑惑が上っている。
大阪府警は、近々この疑惑をめぐって紳助本人を事情聴取するという情報も流れている。さらに疑惑が向けられているのが、引退後即打ち切りが決まったTBSの『紳助社長のプロデュース大作戦!』絡みの土地取得疑惑だ。紳助は、番組の企画で”宮古島活性化プロジェクト”を立ち上げた。番組で紳助が観光地としての宮古島の魅力をPRすれば、同島の土地は高騰する。その情報に踊らされて、極心連合の若い衆が地上げに走って、地元民を威圧的に退去させたという疑惑も浮上している。紳助の情報がなければ、極心は地上げに動かなかったかもしれない。大阪府警は宮古島の一件でも、紳助から事情を聴きたいと言っているという情報もある。
警視庁も大阪府警からの情報が入らないためか、暴力団担当の捜査関係者が情報収集に動いていた。後で分かったことだが、紳助には、東京・足立区で起こった暴力団が介在している地上げトラブル関与の疑惑も浮上していたのだ。
もし、事情聴取されるとしたら、どうなるだろう。
紳助と敵対していたと言われる漫才師の中田カウスは、吉本興業の中邨秀雄元会長の恐喝疑惑に対する大阪府警の13回にもおよぶ事情聴取にも音を上げなかった。が、根が小心者の紳助は、追い込まれると、自ら不利な供述もしてしまい、逮捕なんてこともありえない話ではない。
真相が明らかになるのは、まだまだ先のようだが、いずれにしても、ここまで紳助の虚像が暴かれた以上、引退は正解だったと言えよう。
(文=本多圭)
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