ゴリ推し韓流ブームには世界が大迷惑してますから!?

cnngo0831.jpg※画像はCNNGo.comより

 今年の初夏、「CNNGo」(http://www.cnngo.com/)というサイトに掲載された記事が話題を集めている。記事のタイトルは「K-Pop taking over the world? Don’t make me laugh」。和訳すると「K-POPが世界で流行? 笑わせるな」といったところだろうか。「グローバルな支配を遂げているという韓流の誇大広告を信じてはいけない」という記者の指摘に、日本のネットユーザーが強い関心を示しているようだ。

 カリフォルニア生まれで現在ソウル在住というCNNGoのエスター・オー記者。まずは彼女の書いた記事の冒頭を翻訳してみよう。

「これまで韓国に住み韓国メディアを視聴してきましたが、K-POP文化が海外進出する際に行われる一方的な報道を目にするたび、私はそこにうさんくささを感じます。韓国では、自国のスターたちが渡米する度に、「米国で大人気!」「世界的スター」と報じられますが、それを見聞きするたび私は正直顔がにやけてしまいます。確かに海外には多くのK-POPファンがいることは事実でしょうが、韓国メディアによる韓流の信奉と推進の熱心さは異様なほど一方的なものといえるでしょう」(http://www.cnngo.com/seoul/life/tell-me-about-it/k-pop-taking-over-world-dont-make-me-laugh–476482)

 さらにこの後の記事では、数年前に全米進出を図ったBoAを、韓国メディアがこぞって「西洋に韓流ブームを広げた」「アメリカの大スターになった」と大々的に報じながら、それほどの成果があったとは思えないと指摘する。

「BoAの全米デビューアルバムは、アメリカの人気プロデューサーによって制作され、マドンナやブリトニー・スピアーズを手がけるBloodshy & Avantなどが注目したが、まったく売れませんでした」(前出)

 BoAのほかにもSe7enやジェイ・パクによる全米進出失敗の例を挙げる当該記事。エスター記者は、そんな悲惨な現状にもかかわらず、あらゆる韓国メディアが彼らのようなアーティストを、韓流の代表であり、世界のスターと賞賛することが「興味深い」という。

「BoAもSe7enも、アメリカで流行りそうな形に作り変えられ、アメリカ人にプロデュースされた英語の歌を歌っています。それを「韓国の歌がアメリカでブームになっている」と言えるのでしょうか?」(前出)

「アメリカ人は、英語で歌われている曲がJ-POPなのかK-POPなのかなんて考えすらしない」(前出)

 2008年から世界各地で催されている韓国人アーティストによる「SMタウンライブ」が行われるたび、韓国国内では「K-POPが世界を席巻!」という主旨の報道がされているという。日本にもこのニュースを取り上げている報道機関は多いので、韓流スターが世界で活躍する姿を見ている人は多いかもしれない。だが、そんな彼らも、今回の記事で紹介したエスター記者の指摘するように、英語で歌を歌う、欧米用にカスタマイズされたアーティストばかり。世界中で流行と言うには、いささか強引ではないか。そのものズバリが世界の標準語となっている日本のオタク文化のほうがよっぽど、世界を席巻しているというものだ。

 思えば04年ころ「PUFFYが全米で大人気」という話題が取り沙汰されたことがあったが、彼女たちはアメリカでのライブでも「カニ食べ行こう~」と歌っていた。PUFFYが全米を席巻というのもかなりの誇張だろうが、無理に取り入ろうとしない彼女たちには、彼女たちにしかない魅力があるといえる。その反面、海外進出する韓流アーティストは熱心に作り込まれ、韓流という魅力を自ら消し去っているといえる。本当に韓流が世界を席巻するには、韓国語で歌い、チマチョゴリで踊るスターが欠かせないのかもしれない。

 韓流を持ち上げる日本のテレビとその流行に乗る視聴者、またその過剰な放送内容に違和感を覚える視聴者など、昨今の韓流ブームに対してさまざまな意見が混在する日本。エスター記者の記事が日本のネット上で話題を集めているのは、日本国内で巻き起こっている韓流ブームの過剰さに違和感を覚えている人々の意見を、外側から冷静に指摘しているからだろう。

(文=峯尾/http://mineoneo.exblog.jp/
著書『松本人志は夏目漱石である!』(宝島社新書)

『マンガ嫌韓流』

 
韓流に世界が迷惑!?

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