「安全日よ」はワナ!? 生挿入・膣内発射にご用心

 和風庭園のししおどしがカコーンと鳴る中、両親と仲人が「あとは若いふたりだけで……」と言って席を外す、という定番のお見合いを経て結納を交わし、披露宴ではゴンドラに乗って入場……という流れでの結婚は、昭和の時代には一般的だったかもしれないが、最近ではほとんど見かけなくなってきた。挙式は行わないという『地味婚』もすっかり定着し、また最近は『事実婚』という形式をとるカップルも少なくないようだ。複雑な事情により入籍していないという男女もいれば、「届け出が面倒」「相手の親と、程よい距離感を保ちたい」「シングルマザーのほうが、子供の養育において補助が受けやすい」というアンビリーバボーな理由を挙げる人もいて驚かされた。面倒な親戚付き合いもまた、結婚の醍醐味のひとつとも思うのだが、時代と共に人々の結婚に対する価値観は変化しつつあるようだ。

 そういった背景から、○○男子・○○女子という言葉が増加の一途をたどるように、今後は○○婚という言葉もどんどん増えていくことが予想される。先に挙げた地味婚もそのひとつだが、新しいところでは、ミク婚・ツイ婚・ニコマス婚などがそれにあたる。「もう新語はうんざりだ」という気持ちも分かるが、未婚の男女に中には、興味をそそられてしまうという人もいるのではないだろうか。例えば、『スピ婚』。スピリチュアル婚ではなく、出会いから入籍までが数カ月という、スピード結婚という意味。スピ婚はおそらく、晩婚化が影響しているのだろう。何年もかけてのんびりと愛を育むような歳ではない、という切実な事情が見え隠れしている。

 『スピ婚』のひとつに含まれるかもしれないが、『ハライセ婚』というのもあるようだ。恋人にフラれた当てつけとして結婚するタイプ。「当てつけで結婚を決めるのはよくない!」という意見もあるだろうが、意外に長続きしているカップルも多いようだ。もちろん、相手には『ハライセ婚』であることは言わないほうが賢明だろう。

 さらに興味深いのが、『黙らせ婚』。親や親戚等の、「いい人はいないの?」という圧力から、保身の術として編み出された結婚スタイルである。決して偽装結婚という意味ではなく、もちろん金銭が伴うといったこともない。双方が、「周囲を黙らせたい」という目的で一致しているパターンを指す。よって、先述の、相手の親とは距離感を保ちたい『事実婚』とは正反対で、親戚付き合いにはきちんと顔を出し、四の五の言わせないのだ。なんと言っても、黙らせるのが目的なのだから。

 他にも、ひと昔前に流行った『週末婚』や、芸能人に多い『格差婚』など、挙げればキリがないほど、結婚の形は多様化してきている。さて、結婚願望が強い人は、『かけこみ婚』に注目すると良いだろう。30歳や40歳など、節目となる年齢の前年に、「結婚を急がなきゃ」と考える人は少なくない。よって、29歳もしくは39歳の異性に的を絞っての婚活も試す価値アリである。

 逆に、まだ結婚を考えていないという人は、『デキ婚』に要注意である。双方合意のうえ、「授かったら結婚しよう」と事前承諾があるなら大いにけっこう。しかし、「今日は安全日よ」という女性側のワナに引っかかった……という腑に落ちない思いでハンコを押すというのは、心にしこりが残るだろう。生挿入・膣内発射などの一瞬の快楽のために、生命を結婚の道具とするような女性と生涯添い遂げるハメにならぬよう、気をつけたいものだ。
(文=菊池 美佳子)

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