目先のセックスVS未来予想図 オトコとオンナの仁義なきすれ違い

danjosure0715.jpg※イメージ画像:『だから、男と女はすれ違う』より

 仮に、貴方にカノジョが出来たとしよう。さて、まず何を考えるか。おそらく、大半の男性が「いつセックスに持ち込むか」「どのようにセックスに持ち込むか」など、目先のことを考えると思う。当然だ。いくら顔が可愛くて、性格が良かったとしても、肉体的な相性がどうにもこうにも合わなければにっちもさっちもいかない。「俺は微乳が好きなのに、カノジョが巨乳だ」「俺は後背位が好きなのに、カノジョは正常位が好きだ」程度の相違ならまだしも、「アタシは屋外でなければ興奮が得られないの!」「男性の肛門に並々ならぬ興味があり、ゆくゆくは握り拳を挿れさせてほしいの!」など、共有しがたい嗜好を持った女性の場合は、早々に別れを切り出すほうが、お互い傷も浅くて済む。

 一方で女性の場合は、男性とは全く異なる思考回路の人が多い。交際がスタートしたとたん、まだ夏だというのに「クリスマスはどんなふうに過ごす?」と訊ねられて、へきへきしたという経験をお持ちの男性もいるだろう。しかも、女性たちが口に出しているのは、壮大なる未来予想図のほんの一部。彼女たちの脳内には、「この人と結婚することになったら……」「お互いの両親に挨拶に行く際には……」など、見果てぬ妄想が広がっているのだ。いや、交際が確定した間柄ならまだしも、たった一度のデート直後から、「この人と付き合うことになったら……」「同棲するとしたら、間取りは……」と、独自の未来予想図を展開させる女性もいる。

 「そんなに早まるなよ!」「とりあえず目の前のこと(つまりセックス)から取り掛かろうじゃないか!」と、男性陣が考えるのはごもっとも。以下、あくまでも仮説として捉えて頂きたいのだが、太古の昔、人間がまだ狩猟生活をしていた頃、男性は肉や魚などの狩りを担当し、女性は木の実の採取などを担当でしていた。肉や魚は日持ちしないので、すぐに食べないと腐ってしまう。そういった事情が影響して、男性は長い進化の過程で、まず目先のことを考える思考回路に形成されたのではないだろうか。

 対する木の実担当だった女性たち。木の実は保存が可能なので、「この木の実は1週間はもつだろう」「余ったぶんは1カ月後の祭りの料理に使おう」など、どうしても発想が未来の方向へと向いてしまうのだ。目先のことよりも未来のこと。現代の女性たちが、未来予想図を描きたがるのは、自然の摂理なのかもしれない。

 「そうか、オトコとオンナでは思考回路が違うのか! ならば仕方ないな」と割り切れれば良いのだが、海のものとも山のものとも分からない付き合い始めたばかりのオンナに、将来の話ばかりされてもうんざりする、という男性がほとんどだろう。同棲や結婚どころか、クリスマスの時期に交際が継続しているとも限らないのに、「クリスマスは何処のイルミネーションがいいかしら?」と言われても、返答に困ってしまう。返答せずに曖昧な態度をとると、「私との将来について考えていないの?」とキレる女性もいて、オトコとしてはお手上げ状態だ。しかし、今このオンナを手放しては、定期的にセックス出来るという優待券を放棄することになる。狩りの獲物と同じで、次のオンナがすぐに現れるとは限らないのだ。

 打開策としては、とりあえず「ちゃんと未来のことを考えている」と答えよう。そして、女性が具体的に描けないような、同棲や結婚よりもずっと先の未来の構築案を語ればいいのだ。「うちは親父もじいちゃんもハゲているから、俺も確実にハゲ散らかすだろうな」「俺は身長が高いから、介護が大変だと思う」「ぼちぼち、墓地のことでも考えるか」と言って、モデルルーム見学ではなく、墓地見学に誘えば、未来予想図を描き進める彼女の筆が小休止してくれるかもしれない。
(文=菊池 美佳子)

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