＊イメージ画像：『三人熟女』フランス書院文庫より昭和8年8月29日のこと、東京・上野にあるデパート「松坂屋」5階の子供用品売り場で、中年の女性が子供用のエプロンを万引きし、走って逃げようとするのを、たまたま居合わせた警視庁神楽坂署の警察官が見つけて現行犯逮捕した。するとその女は、浅草に住むスリで前科3犯の36歳の女だということが判明した。
ところがこの女、スリで刑務所に服役後、所内で知り合ったいずれも都内に住む、41歳（万引きで前科４犯）や44歳（万引き前科1犯）らと共謀して万引き団を結成。おもに上野の松坂屋で犯行を重ねていたことがわかった。
犯行の手口は、概ね次のようなものである。まず、36歳の女が買った品物で手がふさがっているような女性客に目をつけ、エレベータの中で財布をスリ取る。それを41歳の女に渡す。そのうえで、41歳と44歳の2人の女が手当たり次第に店内の商品を万引きする。それから、盗んだ商品は売り払ってカネに替え、スリ取った現金とともに3人で分配した。
その犯行によって得たカネだが、3人は「子供がいるため育児と生活のためにやった」と話しており、実際に36歳のスリの女は離婚した夫との間にできた13歳と11歳の子供が、44歳の女には7歳の子供がいた。
熟女万引き団逮捕のニュース 『東京朝日新聞』昭和8年8月31日号
熟女万引き団の3人しかし、よくよく調べてみれば、3人の熟女たちにはそれぞれ26歳から27歳のツバメ、すなわち愛人がおり、どうやらその若い男たちに貢ぐために犯行を繰り返していたらしい。
ちなみに3人が犯行によって稼いでいた金額は、わかっているだけでも1年足らずの間に総額3500円にも及んでいた。当時、白米10キロが1.5円程度、教員の初任給が50円だったことを考えると、現在の価値になおすと1200万円から1500万円ほどになると考えられる。3人で分けたとしても、子供を養ってもなお余裕のある金額だ。
ちなみに、最近になってカネの分配のことで3人の間で争いが生じており、不満に思っていた41歳の女がこれまでに36歳のスリの女がスッた財布、約200個を自宅に隠し持っており、警察の取り調べに「機会を見てほかの2人の悪事を暴露するつもりだった」と供述した。
最近でも、ホストや若い愛人にのめりこんで借金まみれになる熟女の話は珍しくないが、似たような話は戦前にもあったというわけである。ただ、スリや万引きでカネを手にしていたというケースは稀有であるが。
「最近は女性が強くなった」などと言う向きがいるが、ある意味「強い」女性はいつの世にも存在しているということである。
（文＝橋本玉泉）
『流出映像 ストレス発散で万引きをする人妻に
お仕置きをした秘密の映像』
悪い人妻は折檻だ！
