いつか華やかな表舞台に立つことを夢見る、落ちこぼれアイドル「放課後プリティクラブ」のメンバーたち。彼女たちがいつものように秋葉原でライブをしていると、突如何者かに拉致されてしまう。連れて行かれた先で、謎の男の進行のもと行われるのは生き残りとソロデビューをかけたメンバーたちの人気投票だった。歌やダンスで必死に自己アピールするメンバーたち、その模様はインターネットを通じ、全世界に放送され、視聴者の投票によって順位が決まる。最下位になるメンバーにもたらされるのは陵辱と死。ひとり、またひとりと絶命していくメンバーたちは、徐々にあられもない姿と激しい本性があらわにしていく。
ソロデビューのためには、共に活動してきたメンバーさえ蹴落とすことさえ厭わないバトルを繰り広げることになったアイドルたちの姿を描いた『ネ申アイドル総選挙バトル』。そんなキビシー世界を描いた今作で主演を務めた安藤成子ちゃんを直撃! やっぱり芸能界って怖いところなのでしょうか?
──作品中では「放課後プリティ生徒会」というアイドル・グループを組んでいますが、演じる際に意識したアイドルはいましたか?
「それはもうAKB48さんです! でも、ホント彼女たちすごいですよね。グラビアとかもやるし、私たちの仕事が……って感じになっちゃてますよ」
──ですよね(笑)。今回はDVD初主演ですが、オファーが来たときはどのような気持ちに?
「ちょうど、マネジャーから話を聞いたのがテレビの撮影現場だったんですけど、3回も「マジですか! マジですか!! マジですか!!!」って聞き返しちゃって。テレビ番組のドッキリ企画なんじゃないか、と今でも思ってるんです。だから、とにかく初主演ってことで頭が一杯で、クランクインの前日もまったく寝むれなくて、ベットでずっと固まってました」
──アイドルを演じるということで、歌やダンスシーンもあったと思いますが、やはり難しかったですか?
「撮影は、まずダンスのシーンからだったんです。それが……ま~、私はリズム感がないんですよ(笑)。共演者の子はほとんどダンス経験者だったんで、とにかく足を引っ張らないように必死でした。1日で振付、レッスンといろんなことをしたので、とにかくいっぱいいっぱいでした。
特に、冒頭に「お尻フリフリ」ダンスというのがあるんですけど、「KARAには負けないぞ!」ってくらいの気合いでやっているので、ぜひみなさんにプリっとしたお尻を見てもらいたいです」
──共演の川村りかさんとの濃厚なキス・シーンも印象的でしたね。
「今から思えばホント、女性で良かったです。男性とのキス・シーンなら絶対緊張してできなかったと思います。りかちゃんは普段からリーダーっぽいキャラで、みんなを引っ張ってくれる存在だったんで、ちょっと複雑な気持ちにはなりましたが、すんなりとできましたね。
ぶっちゃけると、私って普段お酒が入って酔っ払うと、女友達に「チュー」ってすぐにキスするんです。だから、女性とのキスは慣れているといえば慣れています。いや、もちろん、そっち系(レズ)とかじゃないんですけど」
──実際に、グラビアとかアイドルの世界って、レズビアンとかバイセクシャルの人っているんですか?
「直接、アイドルの子から迫られたことはないんですが、ウワサでは良く聞きますよ。「あの子バイらいしいよ」とかって。だからそれなりに居るんだと思います。
私自身、小学校から高校まで女子校なんですが、中学校の時に同級生の子からアタックされたことがあるんです。クラスメイトの子に誕生日やバレンタインでもないのに「何が欲しい?」って聞かれたので、とっさに「ドライヤー」って言ったら本当に買って来てくれて。他に香水とかももらいました。日用品とか化粧品を買ってくれる時点でちょっとガチっぽかったので、少し怖くなりやんわりとその子からのアタックを受け流してたら、自然と遠ざかってしまいましたが」
──安藤さん自身はレズの世界って興味あります?
「実は私、そっち系の人にすごい興味あるんですよ!! いやいや、もちろん私がレズってわけじゃなくて、そっち系の人たちってどんなことしてるんだろうって。なんか未知の世界って興味をそそられるじゃないですか。
私もたまに、かわいい系の女の子なら許しちゃっても……って一瞬思いますけど、直前で『いや、違う』って、寸前で気づくみたいな感じですね(笑)」
──作品中では、体を売ってソロデビューを勝ち取ろうとする子のシーンもありますよね。実際、アイドルが枕営業をしている話って聞いたことってありますか?
「いや~、私は聞いたこと無いですね。バブル期とかちょっと昔ならあったかも知れないですけど、今ではもうないんじゃないですかね。どーしてもトップまで上りつめたいっていう子なら、それもありかもしれないけど……。私はそんなことまでしてソロになって売れたいかなって思います。枕営業しなきゃいけない場面に直面したら、『うー、いや、ちょっと……』ってなっちゃいますもん。だってその後、やりづらくないですか? 翌日、現場であったときに何食わぬ顔で、『おはようございます』って気まずくて言いづらいですもん。きっとこういう話って、昔あったから残っているんだと思います」
──今回の作品で一番苦労したのはどのシーンですか?
「総選挙を勝ち残った4人でセクシーポーズをして得票数を稼ぎ、レイプマシーンの魔の手から逃れようとするシーンがあるんですが、監督からの要求が厳しくて『もっとエロく!』って何度も言われたんですよ(笑)。AVに出演している子とかは肩ひもをほどいたり、M字開脚をしたりと、どんどんセクシーになっていくんですが、私は役柄でどうしても脱いだりできなかったので、苦労しました。最後の方とか、監督から「もっと!」って言われると、思わず「えっ!? これ以上ですか?」って聞き返しちゃいました。
そして、4人のポーズがかぶったらダメなんでそこも大変で。考えて、考えて、考え抜いたあげく出てきたポーズは……四つん這いになって、振り向きざまにネコのポーズをとって「にゃん、にゃん」とやる格好。『もう、無理っす』って感じでした」
──あのレイプマシーンって、すごく怖かったですよね!
「そうなんですよ! ホントに怖くて、セクシーポーズどころじゃなかったんです。監督からの要求は厳しいし、前からは怖いレイプマシーンが来るしで、前を見れなかったんです。
ぶっちゃけると、あのレイプマシーンってDVDの宣伝担当の方だったんですが、休憩中に外で黒ブリーフ一丁でたばこ吸ってて、なんかその脱力系とのギャップで逆に本番も怖くなっちゃいました」
──実際に、安藤さんが命をかけた総選挙バトルに直面したらどうします?
「ちょっと知恵を使って、なんとか勝ちぬこうと頑張っちゃうと思います。周りの誰かのために譲るのは絶対ないですね。私って思いっきり負けず嫌いってわけではないんですけど、心の中では『闘志がみなぎってる』ってタイプなんです。でも、私のことだから本当にそんな場面になったら、勝ち残るっていうより途中で誰かに殺されちゃいますね(笑)。
特に、女性同士の嫉妬心ってすごいんですから、女の子が集まると必ず誰かは心の中で『負けないぞ!』って思う人がいます。だから、AKBとかのグループもそうだと思うんですが、普段は仲良くしてても、『あの子には負けない』とか、おとなしい子でも『いつかはセンターに』って心では思っているはず。だから、今回の作品って余計リアルですよね」
──今回の作品のように、地下アイドルから上っていく世界ってどう思いますか?
「うーん、上がっていくっていうのは楽しいと思うんですけど、私はアイドルらしくするより、女優さんとかそういう方面に行きたいですね。『にゃんにゃん』とかするようなタイプでもないので、そういうことが出来る人を見ると、『すごいなー』と思いますね。
今回の作品で演じた”山吹舞”は、普段の私がはやらないような、「マイタンタン♪ マイタンタン♪」っていうポーズを取るんです。いやー実際は絶対できないなって思いました(笑)。ファンの方にはぜひ、普段では見れないようなポーズとか仕草もしてるんで、そこも見て欲しいですね」
──今後はどのようなお仕事を?
「もちろん、グラビアのお仕事は続けながら、女優としていろんな役に挑戦したいです。それこそレズの役とか(笑)。特に、恋愛ものがやってみたいんです。どんな現場で、どんな感じで演じるのか、いつも興味があるし、どうやってるのかなって思っています。なんでもできる女優さんを目指しつつ、いろんな役にチャレンジしていきたいですね」
レズや枕営業についてと、アイドル業界の裏話まで明るく話してくれた天真爛漫な成子ちゃん。彼女のようにテレビやステージ上では明るく見えるアイドルたちにもそれぞれ背負ったものがあるのだ。そんな知られざるアイドルたちの内面を知りたいと思う方は、今作を視聴してもいいのではないだろうか。
(取材・文=伊達隆宗)
◆安藤成子オフィシャルブログ「安藤成子はLaLaLaライ」
◆タイトル:『ネ申アイドル総選挙バトル』
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シビアなアイドル社会を垣間見る!?