AKB48の”公式ライバル”という位置付けの新たなアイドルグループが今秋、誕生することが分かった。仕掛け人はAKB48の総合プロデューサーである秋元康だ。「乃木坂46」という名称のこの公式ライバルグループは、これまで秋元が手掛けたSKE48やNMB48、HKT48のようないわゆる姉妹グループとは異なり、あくまでもライバルとして活動するという。これはSony Music Recordsと秋元がタッグを組んでプロデュースに乗り出すことが分かっており、グループ名はオーディション最終会場(予定)であるSME乃木坂ビルに由来しているそうだ。開設されたばかりの公式ホームページにも、秋元本人からの「AKB48が歩んできた5年間を5ヶ月で追いつけるのか?」というメッセージが掲載されている。問いかけつつも、”もちろん追いつかせる”という意気込みすら感じさせる意味深なメッセージだ。オーディション合格者には10月からのバラエティー番組出演と、Sony Music RecordsからのCDデビューも決まっている。公式ライバル登場のお膳立ては完璧だ。”46″という数字について秋元は、「AKB48より人数が少なくても負けない、という意気込み」であることを語っており、ライバルをただ登場させるだけでは終わらせず、ライバルと呼ぶにふさわしいグループとして育て上げる気概が伝わってくる。
たとえトップをひた走っていても、いつ何時、ライバルにその座を取って代わられるかもしれない。それがアイドルグループの宿命だろう。現在のAKB48人気の過熱ぶりは誰が見ても明らかだが、勢いのあるグループは他にも存在する。例えばスマイレージ、ももいろクローバーZなど、中高生で構成された少人数体制のグループのメディア露出は目に見えて増加しており、このようなグループにAKB48はいつか人気を奪われていくのではないか、というのは誰もが薄々予感することだろう。かつて一世を風靡したモーニング娘。ですら、新規メンバー加入によって心機一転を図っても今では大きな話題とはならなくなってきている。求心力というものはいくらメンバーチェンジをしても衰えるときがやってくるし、アイドルの人気はいつまでも続かないのだ。だが、秋元は自らの手で悪役を作り出してしまった。
「秋元さんは自分で物語を作りたい人なんでしょうね。アイドルグループの大きな魅力というのは、その個々の魅力はもちろん、メンバー同士の関係性や他のグループとの競争など、そのドラマを楽しむところにもあります。それを十二分に分かっているからこそ今回の乃木坂46発足に至ったのでしょう。それに自分の手がけていないグループに、自分が育ててきたグループが負ける姿を見るよりは、自分でライバルを作ってしまおう、という考えもあるんじゃないでしょうか。また、人気が定着しても天狗になるなよ、というAKB48への叱咤と見ることもできるでしょうね」(芸能ライター)
あえて”AKB48の公式ライバル”と銘打たれたグループが誕生することによって、AKB48は否が応でも、常にそのライバルと切磋琢磨することが求められることとなった。秋元康の仕掛ける物語はどこまで続くのだろうか。
『SKE48に、今、できること ~2011.05.02 @ AKASAKA BLITZ~』
これからは秋元戦国時代!