“セックスフレンド”という言葉が市民権を得て久しい。最近では、言葉自体にも進化が見られ、ボディパートナーやカキタレといった言い方をすることもある。むろん、いまだ賛否両論あることに変わりはない。お互いにとっての”都合の良い関係”を「はしたない」だの「遊び人」だの言われたくない、という人もいれば、倫理・道徳的な観点や、性感染症を危惧する人からは反対の意見も聞かれる。いずれにせよ、ひと昔前に比べれば、セックスフレンドを持つというライフスタイル、いやセックススタイルが、特別なものではなくなってきている。
だからといって、セックスフレンドがいることを周囲に公言する人はほとんどいないだろう。気心の知れた友人間で語るならまだしも、職場など公の場で吹聴したあかつきには、信用問題にかかわってくることもある。ということは、日頃オフィスでは仕事の話しかしないような間柄の上司や同僚、取引先の担当者などが、既婚未婚にかかわらず、セックスフレンドとの充実した性生活を満喫しているかもしれないのだ。しかしこれはあくまでも仮定の話。いくら”セックスフレンド”という言葉が浸透してきたといっても、肉体だけの関係に無条件で応じる女性はまだまだ少ない。たいていの場合は、セックスと引き換えに、高価なプレゼントなどをねだられたり、もしくは交際を迫られたり、面倒な思いをするハメになる。
そう考えると、セックスフレンドがいるという貴方は、「自分はラッキーガイである」ということを自覚するべきである。ほとんどの男性は、セックスフレンドが欲しくてもいっこうに巡り会えず、手をこまねいているのだから。しかし、そのラッキーな状態にあぐらをかいていては、せっかく得たセックスフレンドに愛想を尽かされてしまうこともある。もちろん、男女交際をしているわけではないのだから、過剰に気を遣う必要はない。しかし、対人間として最低限のマナーは心得ておくべきだろう。……というと、億劫に感じるかもしれないが、現在のセックスフレンドが股を開かなくなるよりはマシだと思って、どうか耳を傾けて頂きたい。
<防護線を張り巡らせない>
セックスフレンド関係に至るには、まず一戦交えて、そこから発展していくというパターンがほとんどである。口頭のみで「セックスフレンドになりましょう。では、初セックスは来週末ということで」ということは滅多にないはずだ。さて、ポイントは最初の一戦である。万が一「カノジョにして!」などと迫られたら厄介だという理由から、射精に達したとたん、「俺には本命の恋人がいるんだ」「特定のカノジョは作らない主義」と、真剣交際をシャットアウトする防護線を張り巡らせる男性もいるが、相手の女性に「カノジョにして!」などという気がない場合、貴方の言動はかなり自意識過剰に写るであろう。その結果、「セックスは良かったけど、2回目はないなぁ~」とジャッジされてしまうのだ。さらには、貴方の勘違い発言が、女子会において笑い話にされていることもある。相手が面倒な女だったら、電話に出ない・メールを返さないなど、後からの対処で何とでもなる。自意識過剰発言には注意すべし。
<新規の女性の調達を要求しない>
「キミの女友達を紹介して」「お互いの友達を揃えてコンパやろう」など、新規の女性の調達を要求するのは絶対にNGである。そういった発言は、「アタシに満足していないの?」と、女性のプライドを傷付けてしまうことになる。「そうではなく、キミとの関係も続けていくつもりだ」というのはさらに悪印象。「アタシに、親友の○○ちゃんとサオ姉妹になれっていうの?」と、女性の怒りは頂点に達するであろう。新規の女性の調達は、自分で行なうべし。
<コンドームの着用>
「ゴムって苦手なんだよね」「途中からちゃんと着けるよ。だから、最初はナマで」など、謎の持論を押しつけるのは論外である。加えて、女性が生理中の際に、「じゃあナマでデキるね!」と目を輝かせるのもモチロン不可。稀に、「俺の(精子)は薄いから大丈夫」など、どこに根拠があるのだ? と、ツッコミを入れたくなるような戯言をいう人もいるが、これでは愛想を尽かされてしまうであろう。
以上3点、どれも難しいことではない。せっかくの良好なセックスフレンド関係を破綻させてしまわないよう、最低限のマナーとして心得ておきたいものだ。
(文=菊池 美佳子/ブログ「マンゴージュースと黒あわび」)