【連載】本多圭のオトコとオンナの芸能恥話

秋元康の「色欲」に狂わされたひとりの女優

akimoto0617.jpg画像は秋元康総合プロデューサー

芸能取材歴30年以上、タブー知らずのベテランジャーナリストが、芸能界の裏側に横たわるオトコとオンナの深い業を掘り起こします。

 AKB48総選挙は、プロデュースした秋元康のマジックにファンのみならず、メディアも踊らされたが、親しい音楽プロデューサーや、レコード関係者から「秋元マジックは、音楽業界の活性化につながらない」「ファン心理をあおって、犯罪の温床にならなければいいいが」と危惧する声が筆者に寄せられた。

 筆者は以前から、AKB48の総選挙は、ジャニーズ事務所のやり口に似ていると指摘してきた。ジャニーズの場合、ファンクラブを通じて、所属アイドルの新曲が発売されると同時に暗にCDを買い占めすることを要求。これにより、「オリコンチャート初登場1位」などという”ヒット曲幻想”を生み出してきたが、ファンたちはこの”幻想”を共有するために、自らの懐を痛めて、ひとり複数枚のCDを買うことなど珍しくなくなっていったのだ。

 秋元の考えた”手口”も「新しい」ともてはやされているが、根底は一緒だ。オリコンチャート1位などという言葉にもはやステータスがなくなった今、ファン心理を揺さぶったのが、好きなメンバーを「ナンバー1にするために私財を投げ打つ」というタニマチ的、いや、キャバクラの上得意的なモチベーションだ。好きなキャバ嬢をナンバー1にするべく売り上げに貢献し続けるがごとく、CDを買い続けるAKB48のファンたち。しかし、こうした心理をあおりすぎれば、金がなくなったファンは、犯罪に走る可能性も否定できない。そうした社会問題が表出すれば、AKBバブルは一気にはじけるだろう。

 そもそも、秋元という男は物欲の塊のような節操のない男だ。彼はフジテレビの「おニャン子クラブ」をプロデュースした放送作家として、一躍脚光を浴びた。その後、筆者が秋元に関して取材したのは、1993年に放送された日本テレビのドラマ『ポケベルが鳴らなくて』の際に起こった、裕木奈江バッシング事件だった。

 このドラマは、裕木に惚れていた秋元が企画。ドラマの主題歌も主演の裕木に歌わせるはずだった。ところが、裕木との関係がうまくいかなかったことから、主題歌は、秋元がプロデュースしていた国武万里という歌手が歌ったのだ。さらに秋元が裕木の悪口に近いことを言ったことが発端で、裕木が番組スタッフ側と衝突しているなどの噂が流布し、女性誌から”生意気な女だ”とバッシングの集中砲火を浴びて、彼女はドラマ終了後、一時、芸能界から消えるという事態にまで発展した。

 実はこのトラブルには裏があった。国武が所属していた大手事務所が、国武を売り出すために、裕木との関係がうまくいかなくなった秋元を取り込んだのだ。また、この大手事務所は、当時、日テレの編成局長だったT氏を接待漬けにした。なんと、T氏の愛人の手当まで払っていたのだ。そのため、裕木サイドが、秋元やドラマ制作サイドの不条理を日テレ上層部に訴えようとしても、T氏にはまったく響かなかったのだ。だがその後、接待の事実が局内で発覚。T氏は系列局に左遷させられたが、裕木の女優人生は秋元の色欲のために狂わされたのは紛れもない事実だ。

 その後、秋元がCSK名誉会長でセガの会長兼社長だった故・大川功さんを食い物にしたことは、昨年2月の日刊サイゾーで既報した。その後、秋元の名前を耳にしたのは、2005年のライブドアによるフジテレビの乗っ取りを画策した”ニッポン放送買収劇”だった。秋元は、ライブドアの子会社の取締役になり、コンテンツ制作に関わっていた。これには筆者と親しい大手プロ幹部 も「散々フジテレビに世話になっておきながら、フジの乗っ取りに加担するとは節操がなさ過ぎる。秋元は業界から総スカンを食っている」と激怒した。しかし、秋元はホリエモンが逮捕されるや取締役を辞任し、雲隠れ。秋元は自分の都合が悪くなると沈黙する卑劣な男だが、金を持っている人間を見つけることについては天才のよう。AKB48のスポンサーとして見つけたのが、現在、「AKB48」を運営するAKS社長の窪田康志氏だった。窪田社長は電子部品製造業を営む資産家の御曹司で、一説には20億円という資金を提供したと言われている。

 秋元が本当に天才ならば、少女たちを酷使し、少年たちから金を吸い上げることはほどほどに、低迷する音楽業界全体の活性化につながるような企画を考えてほしいものだ。
(文=本多圭)

『ベストセレクション ~ポケベルが鳴らなくて~』

 
AKBの子はポケベルを知らないのでは?

amazon_associate_logo.jpg

men's Pick Up