嘆かわしいことに、エロジャケで有名な往年の名盤が手に入りづらい状況になってきております。ジャーマン・メタルの始祖であるスコーピオンズの『ヴァージン・キラー』は、メンバーが並んでいるだけという気の抜けた写真に差し替えられたままだし、ロキシー・ミュージックの『カントリー・ライフ』はオリジナル・ジャケで再リリースされたのはいいものの、最新の2010年プレス分は品切れ中……。
というわけで、本稿では現在アマゾンで入手できるお薦めエロジャケ盤をいくつか紹介させていただきます。
まずはザ・サウンズの『ダイイング・トゥ・セイ・ディス・トゥ・ユー』。
2人並んだ巨乳美女が、谷間を強調したり乳輪をシースルーさせたりしております。音の方はといいますと、紅一点のマーヤ・イヴァーソンがパワフルに歌い上げる、レトロ感あふれるポップ・ロック。ブロンディとかザ・ランナウェイズとかがお好きな方はきっとハマるはず。ちなみに、マーヤのコスチュームやアクションも往年のガールズ・ロックといった感じで、ステージではピタピタのホットパンツをはいて大股開きやM字開脚は当たり前。ネットで検索すると、際どい画像がいっぱいヒットします。
で、お次はモロコの『スタテューズ』。
ヴォーカリストのロイシン・マーフィー自らが、濡れたシャツの下から両の乳首をポッチンと屹立させております。現在はソロで活躍中のロイシン嬢が元彼と組んでいたユニットのラスト・アルバムで、彼女のスモーキーな声が魅力のオシャレ系ダンス・エレクトロ。
そして、今年のサマソニでまさかの再来日を果たす(29年ぶり!)バウ・ワウ・ワウの『ジャングルでファン・ファン・ファン+10』。
原題は『See Jungle! See Jungle! Go Join Your Gang, Yeah. City All Over! Go Ape Crazy』という長いタイトルのセカンドアルバムでしたが、アルバム未収録のシングルB面などを収録したボーナスディスクをカップリングし、発禁の憂き目に遭ったオリジナル・ジャケット仕様で復刻。このジャケは印象派の画家、マネの代表作「草上の昼食」のパロディーで、ジャケに写った豊かな裸体は、当時15歳のヴォーカル、アナベラ嬢。ゲージュツとシャレが通じなかったのか、この写真に彼女の実の母親が激怒して訴えてしまい、長いことジャケが差し替えられていました。
上半身裸でキスをかます男女のティーン。そして男の手は明らかに女子の股間に……。そんな甘酸っぱい青春期の妄想をかき立てられるジャケが衝撃的なのは、レッド・ライト・カンパニーの『ファイン・ファシネイション』。
メロディの方も切なげな胸キュン・ロックで、ヴォーカルのはかない声がキラキラ度を増しております。エディターズやザ・キラーズあたりが好きな向きにはオススメ。
そして、露出度でいったらこのジャケにかなうものはないのではという、乳だけではなく陰毛も丸出しの全裸女性が横たわる、スクラッチ・マッシヴの『タイム』。
フレンチ・エレクトロ・デュオのアルバムですが、穏やかでダークな趣があり、派手すぎずどこか気品が漂う良盤。
さて、CDだけではなくDVDにもエロジャケが。漫画家・山本直樹の描き下ろしによる、ミドリの『さよなら、後藤さん。』。
これまでの全PV8曲が収録された特典DVDが付属する初回限定版のみがこのジャケで、通常版は着衣ヴァージョンなのでご注意。本編には解散ライヴをノーカットで収録。暑苦しいほどのパワーと狂おしいパフォーマンスを堪能あれ。
(文=篠山ピピン)
左の人、乳首透けとるやないかい!!