「私、外人とセックスしたことある」鬼束ちひろ暴行事件、被告人質問で暴かれる真実

 暴行事件以降、活動を休止していた鬼束ちひろ(30)がレーベルを移籍し、4月6日にニューシングル「青い鳥」(フォーライフミュージックエンタテインメント)、同20日にはアルバム『剣と楓』(同)をリリースする。アルバム発売日には自伝的エッセイ『月の破片』(幻冬舎)の発売も予定されており、件の暴行事件にも触れているという。

 その鬼束ちひろに暴行を加えたとして、傷害罪で逮捕、起訴された知人の無職・古宮裕輔(39)の被告人質問が7日、東京地裁で行われた。体格も容姿も良い古宮被告人は左右に体を揺らしながら、手錠に腰縄で法廷に登場した。傍聴席に背を向けて証言台の前に座った際、首元の後ろから黒一色のタトゥーがチラリと見えた。

 公判では鬼束ちひろの名前は伏せられ「Aさん」とされた。この件とは別に昨年3月、下北沢で見知らぬ男性に対する暴行事件でも起訴されているが、こちらの被害者は「Bさん」。各事件について古宮被告人は、初公判でそれぞれ「平手で一回殴っただけ」「そういう記憶がない」と主張したが、被告人質問でも同様だった。問題のAさんの事件では、弁護側から、古宮被告人が書いたという書面がいくつか証拠として提出された。内容はそれぞれ「謝罪の意思を示す手紙」「事件を起こした動機について書いた書面(当時抱いていたAさんへの不満について)」「幼少期、父親から虐待を受けていたことについて書かれた書面」である。

 被告人質問でもAさんへの不満を口にした。

「付き合って2週間くらいでした。気になる点が多々あったけど、いろいろ言うのがいやだったんで、事件当時、たまってたってのもありますね。

 タバコを吸ってた時、彼女が自分のプロモを『ちょっと見てよ』って言うんで、めんどくせーなと思って見に行ったら、外人とキスしてるビデオで、そこで静止されてたり。あとは、そうっすね、部屋で二人でゆっくりしてるとき『聞いてよ、私外人とセックスしたことある』って。そりゃもう、びっくりしますし、普通、付き合ってる彼氏に言うか? と驚いたんですよね。後、とにかく、買い物好きでした」

 暴行の内容についても「平手で殴ったら彼女が倒れた」と、それだけしか手は出していないと述べており、Aさんの証言とは大幅に食い違っていることを主張しつつも、「彼女には立場があるので」と、Aさんの調書に同意している。また「事件の後、彼女から電話がかかってきた。『恨んでないから』と言われた」とも。

 裁判長も納得いかない点が多々あったようだ。

裁判長 「あなた、Aさんの言い分と一番違うのは『殴り合ったあと、被告人が激しい暴行を加えてきた』というところなんだけど、これはAさんがねつ造してるっていうの?」

被告人 「『多数回殴る』ってのはやってないっすね」

裁判長 「どうしてAさんは真実と違う話をするんですか? あなたの話だと、Aさんはあなたのことを恨んでないんですよね。なのに話を作るのは不自然ですよね?」

被告人 「よく分からないっす」

裁判長 「あなたね、彼女に対する不満を書いた書面ね、3ページにも渡ってね。これ、なんで出したいと思ったの?」

被告人 「動機、説明したかった……」

裁判長 「どうして? それで何を狙ったんですか? 少しは罪、軽くなるかと? こういう話出してね、Aさんにとっては不名誉ですよね? この法廷で傍聴してる人、帰りますよね? Aさんに影響が及ぶのも構わないというんですか!?」

被告人 「いや、そういうことはないっす」

 彼女の立場を慮っていると口にしながら、Aさんの言い分をことごとく否定し、こき下ろすような内容の書面まで提出する古宮被告人。Aさんが証人出廷すると自分が不利な立場に立たされると認識していたからこそ、調書に同意したのではないかとも思える。Aさんに対する不満もどこまで本当か分からないところであり、むしろ古宮被告人のタチの悪さが浮き彫りになった感もある。

 古宮被告人は、この暴行事件の前後も、とあるショップで警察沙汰の騒動を起こしており「ユウスケが来たら店を閉めるように」とお達しも出るほどで、裏原のアパレルショップではちょっとした有名人だったとの情報もある。

 また、先月28日発売の雑誌「papyrus」(幻冬舎)に掲載されている巻頭インタビューでは、暴行事件について鬼束ちひろ本人が赤裸々に語っている。”顔を殴られ、胸に回し蹴り、目つぶしをされ、頭を床に何度も叩き付けられた”と、初公判で証拠として提出された調書と同様の内容だ。怪我の状況を考えれば、どちらの言い分が正しいかは明らかではないだろうか。(ちなみに事件後に古宮被告人に電話をかけたことについては、インタビュー内で鬼束ちひろもそのように語っている)

 次回30日、ようやく論告弁論が行われる。

papyrus (パピルス) 2011年 04月号

 
全盛期よりさらに病んだ感じに……。

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