日本では架空のキャラクターを「俺の嫁」と称して愛するオタク男性が珍しくない。社会現象にまでなった「ラブプラス」(コナミ)では、ゲームとタイアップした熱海旅行が企画された。これはニンテンドーDSの画面内にいる「彼女」と一緒に旅行し、料理を食べ、同じ部屋に布団を敷いて寝られるというプラン。イベント期間中、熱海の街はDSを手にした「彼氏」たちによってかなりの賑わいを見せていた。AR(拡張現実)技術を駆使し、現実の世界とゲームの世界が密接にリンクしたこのイベントでは、日本中のオタク男性に「三次元の彼女なんていらなくね?」と思わせた。
しかし、架空の女性を「俺の嫁」と称して愛でる文化は、いまや日本だけのものではない。
韓国でiPhone向けのバーチャル彼女アプリ「Honey, it’s me!」がブームになったというニュースは以前お伝えしたとおり(https://www.menscyzo.com/2010/12/post_2108.html)。これはバーチャル彼女の「Mina」から一日数回、愛情たっぷりのビデオメッセージが届くという代物だ。現在は韓国語版のほか中国語版もリリースされており、日本語版も開発中だという。
また、アメリカでは「欧米版ラブプラス」とでもいうべきiPhone向けゲームが登場。その名もズバリ「MY VIRTUAL GIRLFRIEND」。
3Dで表現された美女たちとコミュニケーションを取れるのだが、いずれもルックスがかなりバタ臭いため、日本人の趣味嗜好にはあまり合わないかもしれない。なお、iPhone向けのアプリはAppleの厳しい規制により、性的な表現は本来NGだ。しかしこのゲームでは、バーチャル美女にキワどいセクシー下着を装着させることもできる。洋モノ好きにとっては、隠れた良エロアプリと言える。
そしてインドでは遂に、バーチャル妻との結婚生活を体験できるサービスまで登場した。 「Biwi ho toh aisi」(http://biwihotohaisi.com/) は、バーチャル妻から音声メッセージが届くというウェブサービスだ。モーニングコールや、買い物を頼むメッセージ、夕飯までに帰ってくるようお願いするメッセージなど、さまざまな音声が登録されている。指定した曜日や時間になると、携帯にメッセージが届くという寸法だ。このサイトでは、タイプの異なる4人のインド美女から「バーチャル妻」を選択できる。いずれもインド人男性の萌えポイントをくすぐる、個性豊かなキャラクターばかりだ。
「Milli Chulbulli」はロングヘアーが似合う現代風の女性。21歳で、多国籍企業の秘書をしている。ボリウッド(インドの映画界)のゴシップネタが大好きな現代っ子だ。イラストでは一番の巨乳に見えるのもポイントだろうか。
「Shalini Sheherwali」はアップにまとめた髪と眼鏡が知的な印象を見せる、26歳のキャリアウーマン。ハイテクガジェットに精通しており、ちょっとした野菜までオンラインショッピングで購入するほどだ。
ふっくらとした顔つきの「Bijli Thakur」はインド伝統の衣装を身にまとっている。25歳の彼女は、非常に気の強い性格。家のすべてを支配したがる「コントロールフリーク」と称されているが、ツンデレ好きのM男性にはご褒美かもしれない。
「Ritu Gharwali」は典型的なインド人妻だ。料理が趣味で、毎日の昼ドラを楽しみにしている家庭的な性格。ルックス抜群で優しくて家事ができるとあれば、理想的すぎるほど理想的。おまけに家庭科学研究科を卒業しており、教養まで兼ね備えている。
インド人男性の広いニーズに合わせた彼女たちは、(絵の好みは分かれるが)日本人から見ても魅力的に映る。このサービスを利用して、インド人男性がバーチャルな恋愛に逃避してしまうのではないかと心配になるが、このサイトの目的はどうやら逆らしい。このサイトは結婚相談所が運営しており、「現実の嫁からこういう電話が欲しい!!」と思った人を相談所のサイトにアクセスさせるための広告なのだ。
とは言え、理想と現実のギャップを埋めるのは難しい。リアルな嫁よりもバーチャルな嫁のほうがいいと、現実を捨ててしまう男性が現れてもおかしくはないだろう。世間では日本人男性の草食化が進んでいる、などと取り沙汰されているが、実際は世界規模で草食化が進んでいるのかも知れない。
(文=花子・F・不明)
じゃ、オレはAVで疑似体験!