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筆者こと所沢ショーイチは、ここ20年以上近く続けていることがある。それは、エッチした相手と回数とその時の状況などの記録を取っておくことだ。
風俗遊び、テレクラ遊び、出会い系、男優・ハメ撮りカメラマンとしてのSEXなど、とにかくオナニーと夢精以外で射精する度にこの記録ファイルを更新し続けている。
初めの頃はMS-DOS上のLotus 1-2-3という表計算ソフトで制作し、現在はExcelで過去のデータを引き継ぎながら日々更新しているという次第。
我ながら壮大なデータ量であり、画面に表示されている表組だけで十分夜のオカズになってしまうほどだ。
1990年代は筆者にとって【風俗こそ人生】だった。
過去のデータを見てみると、月の給料の8割くらいを風俗につぎ込んでいて、風俗エンゲル係数が異常に高かった。
その頃は会社員の肩書で夏冬の賞与も貰えていたのだが、こうした賞与も8割以上は風俗遊びで消えていた計算となる。
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年間およそ250万円の出費が約10年間、我ながらトンデモない額にビックリだが、後悔は一切ない! あの頃は、翔ちゃん、ルカちゃん、玲亜ちゃん、乙姫(安達ゆーみん)ちゃんといったフードルがキラ星のごとく存在しており、風俗業界が大いに盛り上がっていた時期だった。
2000年代になるとこの記録ファイルから風俗遊びの項目が激減することになる。傲慢で身内びいきの老害が都知事になった頃から風俗業界への風当たりが強くなったことと、筆者が出会い系にハマりだしたからである。
さて、話は変わってしまうが、筆者は女性に対するストライクゾーンが異様に広いつもりだ。どんな悪球がきても「喜んでぇーっ!!」と絶賛大歓迎し、グワァラゴワガキーンとドカベンの岩鬼よろしく肉棒を振り回すのが基本的なスタンスなのである。
先の記録ファイルにはデブだのブスだのと記述されている女性もかなりの割合で記載されているのだ。
だが、出会い系での遊びではごく稀にトンデモない化け物がやってくることがある。普通の化け物なら話のタネになると思い同衾することもしばしばなのだが、今回はそんな筆者ですら逃げ出してしまった経験を語らせていただく。
●オヤジ臭がするY美
今から15、6年ほど前、Q2ダイヤルの出会いにハマっていた時期のこと。基本的にQ2ダイヤル経由でタダマンできるコは、容姿のレベルがとんでもなく低かった。だが、内容の濃ゆいSEXを満喫できることが多く、風俗遊びでフトコロが寂しくなった時には便利だったのだ。
いつものようにQ2で女を物色し、約束を取り付けたY美(27歳のOL)。電話越しにエッチな話題で大いに盛り上がったので、「コレはヤれる!」と判断した上での約束だった。
約束の場所にやってきたY美は、柳原可奈子を一回り小さくした感じの体型、顔は某オレ流落合監督の嫁を少しだけ可愛くした感じだ。普通の成人男性の感覚だったら「近よるなこのデブス!」とツバを吐きかけるところだが、筆者は違った。
これだけ見た目が不自由なのに、Q2ダイヤル経由でSEX遊びをしているってことは、もしかしたら凄くいいモノ持ってるのでは?
と、無理やり解釈したのだ。そんな訳で見た目の残念さに落胆している素振りを一切見せずに、Y美をホテル街のほうへと導いて歩きだした時である。
Y美と並んで歩くために二人の距離が縮まった瞬間、異様な匂いが筆者の鼻孔を直撃した。
満員電車の中でよく遭遇するオッサンの匂い……
どう考えてもその匂いの元はY美だった。嫌な予感がした筆者は、「ちょっと軽く飲んでからにしない?」と予定を変更して付近にあった安っぽいバーに誘った。
ちょっと強めの酒を飲めば、こんなオンナ相手でも勃つハズとの計算だ。
しかし、酒の力で五感を鈍くしてもY美から漂う匂いは強烈だ。どうやらY美は髪の毛をポマードのような油でセットしている様子。
よく見ると顔には吹き出物がブツブツと浮かんでおり、口臭も腐りかけの卵みたいな感じ。アァ、こりゃ無理だと観念して、いかにY美を傷つけずにお帰りいただくかと思案しはじめた。
その時である。筆者のベルトにセットしていたポケベルが鳴りだしたのだ。これぞ救いの手、筆者は慌てて店の公衆電話に向かった。仕事先の後輩からの連絡で急ぎの用件ではなかったのだが、
「ごめん!! 急な仕事の件でどうしても今すぐ戻らなきゃダメになった!」
とY美に説明した。Y美は「えー、エッチが終わってからでもいいじゃん」とブサイクな顔を歪めて駄々をこねたが、なんとか納得してもらいその場を逃れることができた。
その後も数回ほどY美から筆者のポケベルに連絡が来たものの、無視していたら連絡がこなくなり無事に縁が切れたのである。
後日、ポケベルを鳴らしてくれた後輩に感謝の意味を込めてうな重をご馳走した。いい後輩を持って幸せだなぁ、としみじみした次第である。
●長与千種似のハズが……
10年ほど前、PCの出会い系サイトで見つけたM子。ネットオークションの転売で利益を出して暮らしているという24歳。体型は身長179センチと大柄で、本人曰く、「ちょっとぽっちゃりしてるんだけど、長与千種に似てるってよく言われるの」とのこと。
クラッシュギャルズに夢中だった筆者はライオネス飛鳥派ではなく、長与千種派だったので嬉しくなった。
季節は冬だったので、ぽっちゃりの長与千種とぬくぬくイチャイチャしたいと思いたったのである。日々のメール交換の文章の中にエッチな話題を少しづつ盛り込んで行き、半月後にはエッチありのデートを約束することに成功した。
「久しぶりのエッチなんで、興奮して寝れないです。ショーイチさんの乳首もたくさん舐めてあげますね」
と前日の夜にメールしてくるM子。もうこれはタマリマセン。
前日のメールを思い出し、勃起しながら約束の場所に立つ筆者。時間は午前10時で平日だった。ラブホテルのフリータイムをフルに使い、夕方18時までヤりまくるぞぉ! と臨戦態勢だ。
そこに現れたのはクラッシュギャルズと激戦を繰り広げていた当時のブル中野を思いっきり肥満させたような体型の物体。その物体の首の上には、安田大サーカスのHIROちゃんそっくりの顔らしきものが。
さらに、人間でいうと口にあたるであろう穴がモゴモゴと開き、「フガフガフゴゴ。フゴーゴフフゴゴ?」(多分であるが「お待たせしました、ショーイチさんですよね」と言っていたと思われる)と音を発してきたのだ。
筆者はこの時、生まれて初めて脳内の血管がプチっと切れる音を聞いた。M子らしき物体の後頭部を鷲掴みにして、「おまえは今すぐ長与千種サマに100万回土下座して謝れ!」と地面に叩き伏せたくなった。
しかしM子は身長180センチ近くで体重も筆者の3倍あってもおかしくない体型だ。当時の筆者は身長171センチ、体重53キロ。圧倒的な体格差である。
この物体を怒らせるのは危険だ、と本能が危険信号を送ってきた。だが、この物体とこれ以上一緒にいるのも危険だ。頭の中がパニックになった筆者は、余計なテクニックを使うことなく正直に話してみた。
「ごめん! 無理だ。今日は帰るね」
果たして人語が通じるかどうか不安だったのだが、こちらの言いたいことは伝わった様子だ。
「ンゲ? フガ、フゴゴゴゴンゴ。フガ、フゴゴゴゴゲ? フゴンゴフグゴゴゴ?」
(え? あ、はい、分かりました。でも、どうしてですか? やっぱり体型ですか?)
筆者は、「うん、体型と顔の両方だね。じゃ!」と言い終わるや否や踵を返して人混みに向かい始めた。帰るためには駅に向かわなければならないのだが、駅方向はM子らしき物体の背後だった。
それにその時は、人混みに紛れてしまえば、背後から襲われる可能性が減るはずという計算も働いたのだ。もっともっと混んでるほうだ! と振り返りたくなる衝動と戦いつつ、さらなる人混みを求めて歩く筆者……。
なんとか難を逃れたものの、それから数年の間はその街に近寄ることを極力避けていたほどのトラウマとなってしまった。
肉食動物に捕食される動物の気分を味わえた貴重な体験だった。
と、まぁ、千人以上もの女性とエッチな遭遇をしているわけだから、以上のようなケースに遭うのも仕方がないことだ。
まだ数件ほど似たような話があるのだが、それはまた別の機会にでも。
何度痛い目に遭おうが、これから先も死ぬまで女遊びを止められないであろう筆者。もはやコレは病気なのだろう。もしかしたら、筆者こそがY美やM子以上の化け物なのかもしれない……。
(文=所沢ショーイチ)
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