DVD『超能力学園WxY』 トンデモ研究、と聞いて最初に思い浮かぶのが超能力。冷戦下には、軍事利用を狙って米ソの二大国が「超能力研究」に国費を投じたていたものの、「将来性がない」として断念したという過去もある。しかし「もしかして本当にあるんじゃ？」と思わせるロマンが、超能力には満ちている。現在も高名な学者の面々が、本格的な超能力研究に励んでいるのだ。そんな超能力に関して、これまでの観念を打ち破るような、衝撃的な（!?）実験レポートが発表された。
発表者は、性格と性的嗜好の関連性についての著書を多く残している、米国コーネル大学のベム教授。人間の持つESP（予知能力）を試すために、「裏向きの画像から、エロ画像とそうでない画像を区別させる」という実験を行った。 50人の被験者を動員したこの実験の試行回数は計1,800回。エロ画像とそうでない画像は1枚ずつで、毎回アトランダムに位置を変更させ、一度見せた写真の位置を記憶できないようにした上で実験を行っている。
結果、数学的には50％であるはずの確率が53.1％となり、有意な相関があることが認められたという（ちなみに、特徴のない画像を用いての同様の試験の結果は50.2％で、誤差の範囲内だった）。 なお、同論文によると、エロ画像同様に「ネガティブな画像」についても、被験者の予測があたりやすいという結果になっている。奇しくも人間の生に関わるエロと、死に関わるようなネガティブな画像に対して、同じような反応が得られたというわけだ。
「九死に一生を得る」といったような経験をしたことのある人には、その体験の前後について、時間がゆっくり流れていたように感じられた、という ケースが多いという。「火事場の馬鹿力」という言葉もあるように、生死を問われるような場合に我々は、現代科学では解き明かせない、隠された機能を発揮し ているということなのだろうか……。
なお、このたびメンズサイゾーでは、検証のため、ベム氏が行ったのと同じ実験を、「高能力者」であるエスパー伊東氏に挑戦していただこうと取材交渉を行ったのだが、「大変申し訳ございませんが、下記内容での取材はお断りさせていただいております」とのこと。「お断りさせていただいております」という表現からすれば、すでに何件か同様のオファーがあったということだろうが、 氏が挑戦すれば100%的中するのだから試すまでもない……という事務所の判断であろう。
というわけで、代わりに、寝ても覚めてもエロいことしか考えていない、煩悩の固まりであるライターA氏にチャレンジしてもらった。今回はエロい画像と、そうでない画像の描かれたカードを使い、ベム教授と同様の実験を行っている。
「あーあ、デスクの下に美女が隠れていて、仕事中もずっとフェラしてくれるようなサプライズ起こらねーかなー」（A氏）
……登場早々この言葉である。エロパワーで画像を当てることなど、造作もないはず。
「適当にカードを指すんじゃ意味がないんでしょ？ めんどくさいなこれ」（A氏）
その通り。直感とはいえ、どちらがエロいか予想してもらわないと意味がない。
「この画像飽きたよ。別のカードないの？」（A氏）
しまった！ エロ画像への欲求が超能力を引き出すというのに、肝心な画像への欲が失せてしまっては、出る超能力も出てこない（？）。 とりあえず100回挑戦してもらったが、エロい画像を引き当てたのは48回だった。A氏にエロ超能力は覚醒しなかったようだ。
「まあ、毎回別のエロ画像が出てくるっていうなら、結果も違ったと思うよ。あと、もっと好みのコだったらよかったなー」（A氏）
なお、この超能力（名付けて「エロ千里眼」）の開発に成功すれば、以下のようなことが可能になると考えられる。
●リンク先の画像が、エロ画像かどうかが瞬時にわかる
●「エロいタイトルの割に中身がエロくなくてガッカリ」な雑誌やDVDを買わずに済む
●通りがかった「ヤれそうな相手」がわかる
これらが実現すれば、我々の生活はもっと便利になること間違いナシだ。だがいったい、どうすれば超能力の開発なんてコトが可能になるのだろうか…。ベム教授は「たとえテレパシーが存在すると確信していない人でも、脳から脳へと電磁気的な信号を送信できるメカニズム（が発明された未来）なら容易に想像できる」という。要するに、今は超能力でしかできないことも科学的な仮定に翻訳できる以上、現実からかけはなれた妄想ではないということらしいが、そうカンタンな話でもないだろう。とりあえず、通りすがりの女のコのスカートがめくれるように念を送るところから始めよう!!
（文＝花園新太郎）
超能力＜高能力!!
