1日およそ37万人のペースで新規ユーザーを獲得し、年内には2億ユーザー到達とも言われているTwitter。そんな世界的に流行しているTwitterから誕生した異色の劇団『ツイゲキ』の旗揚げ公演が近づき、話題になっている。
主宰は片岡K氏(@ kataoka_k)。『音効さん』『文學ト云フ事』(共にフジテレビ系)といった伝説の深夜番組や上戸彩主演の映画『インストール』、連続テレビドラマ『セレぶり3』(テレビ東京系)など、数多くの話題作を手掛けてきた鬼才の演出家だ。今年5月、片岡氏のTwitterのフォロワー数が1,000を突破したのを記念し、劇団の参加者を募ったのがすべての始まり。そう、『ツイゲキ』は役者・スタッフから受付嬢に至るまで、すべてTwitterで仲間を集めた前代未聞の劇団なのだ。
同劇団のコンセプトは”放送では絶対にできないこと”。公演タイトルは、その名も『FUKENZEN』だ。果たして、どんな作品が上演されるのか!? 本番間近の稽古場でインタビューを試みた。
看板女優の座を射止めた。でも、舞台は未経験なんだとか!
──『FUKENZEN』はどんな作品なんでしょうか?
片岡K 全5話からなる演劇オムニバスで、第1話が『テレビダイスキ』、第2話が『穴ピーの憂鬱』、第3話が『テブラーマン』、第4話が『テロリストD』、そして第5話が『ハンディキャップ』。公演タイトル通りどれも”不健全”なコメディーだね。
ター・秋山具義氏(@gugitter)によるデザインが
採用された。確かに不健全な感じ!
──具体的には、どう不健全なのでしょうか? 本誌の読者層にはエッチなことを期待している方も多いと思いますが。
片岡K もちろん下ネタはいっぱいだよ(笑)。美女があんなことこんなこと言っちゃったり、巨乳ちゃんが××なことしちゃったり。でも、不健全ってのは何も下ネタばかりじゃなくて、例えば『テレビダイスキ』なんかは広告代理店の人が怒っちゃうようなメッセージ性の強いものだと思うし、『ハンディキャップ』も絶対テレビじゃできないものだよね。一見バカバカしいように思えるけど、後になって何か考えさせられたりするようなコメディーにしたいね。まぁ、期待を裏切らない出来になると思うからとにかく観てちょーだいな!
──『ツイゲキ』は役者もスタッフもみんなツイッターで集めたことが話題になっていますが、いま改めて感じることは?
片岡K プロとアマが混ざった劇団なんだな~とつくづく思うね。そういう意味では、不健全じゃなくて”不完全”という感じ。役者も力量差が意外とあるし。でも、そこがウチの一番面白いところかもしれない。そもそも完成度の高いものを作りたいんだったらTwitterなんか使わないで、最初から上手い役者に声かけるわけだしね(笑)。だから、完成された役者と棒読みの役者の”混ざった感”を楽しんでほしいな。
さや佳(@majyokkosayaka)、しほ乃(@majyokkoshihono)の美巨乳を存分にいかした作品も!
──ところで、どうして舞台をはじめようと思われたのですか?
片岡K やっぱりボク自身、何かと制約の多いテレビに対するフラストレーションがあったってのが大きいけど、ちょっと難しいこと言うと、今の商業メディアってもう行き詰まってるなと思ったんだよね。例えば人気ドラマを1000万人が観たとして、それが映画化されて100万人動員、さらにDVD化されて2万本売れる……って感じに、だんだん数が減っていくじゃない。昔はそれがいいビジネスモデルだったんだけど、今はメディアが多様化してて一番上のドラマのパイ自体が減っちゃってる。予算がなきゃ面白いものを作るのにも限界があるし悪循環。もう先細りになっちゃってるんだよね。だから逆に、自分でゼロから創り上げたほうがいいんじゃないかと思ったわけ。ツイゲキがYouTubeとかUstreamにはじまり、DVDや映画になって、最後は『ツイゲキ・ザ・ドラマ』とかになったら面白いんじゃないかって(笑)。Twitterというアンダーグラウンドなものから始めたものが、どんどん広がっていくイメージにしたいんだ。
──旗揚げ公演はver. 1.0『FUKENZEN』となっていますが、ver. 2.0以降の展開予定は?
片岡K たぶん1.0やっただけじゃダメで、ver.2.0、3.0、4.0、5.0くらいまでやらないとムーブメントは起こらないんじゃないかなと思う。そのためにも1年に2回ぐらいはやって盛り上げていきたいね。
声が上がるものの「ダイジョウブ、ダイジョウブ」と余裕を見せる。さすがテレビ界の重鎮!
──いざ劇団が動き出して、実感することはありますか?
片岡K やっぱ舞台って高いよね。ちょっといい劇場に観に行ったりすると1万円超えちゃう。ツイゲキだってみんなにノーギャラで頑張ってもらっても3000~4000円もらわなきゃ、やってけないんだもん。でも、そうなるとお客さんを呼ぶのも大変だよね。最新技術を駆使した3D映画でさえ1800円で観られるんだからさ(笑)。芸術に助成金を出してくれるフランスみたいに日本もそうなってほしいよね。でなきゃいつまで経ってもこの分野が伸びない。他の演劇もネックになってると思うけど、お金を集めるのが大変! 次の課題はそこかな~。
片岡Kワールドが炸裂する抱腹絶倒必至のオムニバスコメディー・劇団ツイゲキ ver. 1.0『FUKENZEN』は11月25日(木)~11月28日(日)まで中目黒ウッディーシアターにて!
最後に、片岡K氏と看板女優のちひろっくさんに140文字以内でつぶやいていただきました!
kataoka_k テレビには放送コードと呼ばれる自主規制があって自由に表現できないタブーがたくさんある。20年の間、ボクは何度もその壁に悩まされてきた。一度その壁をパーッと取り払って思う存分表現してみたかったのである。ツイゲキはボクが初めて自発的に取り組んだ作品なのだ。
chihi69 ツイゲキメンバーのみんな個性たっぷりだし新しいことの連続で稽古もすっごく楽しいです。みんなにウケると気持ち良くてもっと欲しくなってしまいますw 初舞台でいきなり主演、憶えるのには「う~」ってなってますが、なんとかなるでしょー。ますます面白いことになりますよ!
(取材・文=編集部)
<劇団ツイゲキ ver.1.0『FUKENZEN』 概要>
公演期間: 11月25日(木)~11月28日(日)
開演時間:
11月25日:昼なし/夜19:00
11月26日:昼15:00/夜19:00
11月27日:昼14:00/夜18:00
11月28日:昼13:00/夜なし
場所:中目黒ウッディーシアター
東京都目黒区上目黒2-43-5 キャトルセゾンB1F
(TEL:03-3791-6566 URL: http://www.woodytheatre.com)
チケット:4,000円(友達割500円引きなど、各種割引あり)
「ツイゲキショップ」で発売
詳細はこちらまで。
出演:ちひろっく/森谷ふみ/吉村きりを/蜜/菅原夕/石戸谷千種/吉田まほ子、魔女っこ他
作・演出:片岡K
『文學ト云フ事』DVD化希望!