猛暑が終わったと思いきや、秋をすっ飛ばして唐突にやってきたかのような今年の冬。冷え込む日は燗を付けた日本酒でひとつ……というのが定番だったが、最近は深刻な「日本酒離れ」が進行しているようだ。
流通するアルコールの品目が増えるにともない、1975年から日本酒の消費量は年々減少している。が、ここ数年での減少率は凄まじく、国税庁発表の「酒類の販売数量」によると、10年間で販売量が40%も減少しているという。日本酒市場の縮小は業界に大きな打撃を与え、ここ数年でいくつもの酒造会社が廃業に追いやられている。今年の9月末に自己破産を申請した、福井県大野市の源平酒造は創業300年を超える老舗だった。
また、日本酒以外に目を向けても、あらゆる酒類の消費量が減少しているようだ。キリン食生活文化研究所の「09年世界主要国のビール生産量」によると、99から09年までの10年間で、日本国内のビール(発泡酒や新ジャンルを含む)生産量は17%も減少している。
さて、日本酒造組合をはじめとする業界各所は、この傾向を「若者のお酒離れ」と見ている。インターネット上でも「安い日本酒は本当にマズいから仕方がない」「ビールは苦いだけで美味しくない」など、若者の率直な意見が目立つ。メーカー各社も若い女性が好むような甘いカクテル類の開発に注力し、さまざまな新製品を開発している。しかし、全体的な酒離れは「若者の味覚」だけの責任ではないだろう。不況を受けての節約志向や、「飲みニケーション」を嫌がる個人主義の台頭など、さまざまな要因があるはずだ。
しかし、原因が複雑に絡み合っているからといって、現状のままでいいのだろうか。アルコールに価値を見いだせないままでは、日本の酒造業は壊滅してしまうかもしれない。脈々と受け継がれてきた日本酒という文化は、絶やすにはあまりにも惜しいものだ。実際、日本での日本酒需要は減りつつあるが、海外での需要は少しずつだが増えている。
お酒を苦手とする若者も、アルコールにはとても貴重な「付加価値」があることを忘れてはならない。それは「媚薬」としての効能だ。メディアに「イマドキの草食系」というレッテルを貼られている男性諸君も、チャンスがあればそういう方向にもつれ込みたいはず。ここにお酒の威力を表す、面白いデータがある。
女性向けのセクシャルヘルスケア商品を販売する、エルシーラブコスメティックが調査した「お酒を飲むとエッチな気分になりますか?」というアンケート。女性は273名が回答しているが、「エッチな気分にならない」と答えた58名に対して、「エッチな気分になる」と答えた人数は212名に上った。お酒を摂取すると、人はHをしたくてしたくてたまらなくなってしまうのだ。本当はモテたいけど自信がなくて奥手になってしまう「草食風男子」は、出会いを求めて行う合コンを、「どうせお持ち帰りできる可能性なんて低いし」と最初からスルーしているかもしれない。
しかし、アルコールによって7割以上の人間が性欲を刺激されると考えれば、チャンスが巡ってくる可能性は高い。また、「お酒を使った”恋愛テク”を持っていますか?」というアンケートに回答した女性224名のうち、82名(36.6%)が「持っている」と答えている。自分から攻めていくのが苦手な純情ボーイは、いっそ受け身になってしまうのもいいかもしれない。「これだから草食系は」と嘲られようとも、恥ずかしがることはない。コトが運んでしまえば全然OKなのだ。
タマゴが先かニワトリが先かは定かではないが、草食男子ブームとお酒離れのどちらかを解消すれば、もう片方も自然と解消される。少子化を食い止められるし、酒造会社も安泰でいいことずくめだ。日本の将来を憂う若者たちは、とりあえず女の子を飲みに誘おう!! もちろん、ちゃんと避妊はしようネ!!
ちなみに、レイクヘッド大学(カナダ)の研究グループによると、一カ月に40杯程度の飲酒をする女性は、男性の顔の左右対称性を判断する能力が甘いという結果が出ている。人間の顔は造形が左右対称に近ければ近いほど美形だと言われているが、お酒をよく飲む女性はそんなことが気にならなくなってしまうということだ。顔立ちに自信がない人は、お酒好きな女性を誘えばうまくいく(かもしれない)。もちろん、限度を超えて飲みまくるような女性は、いろいろとトラブルを引き起こしそうな気もするが……。お酒は飲むのも勧めるのもほどほどに。
※協力:エルシーラブコスメティック(http://www.lovecosmetic.jp/)
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