＊イメージ画像：『出会って4秒で合体 希志あいの』ジャパンホームビデオ＜アメリカ発＞
「男女が出会ってすぐにHをすると、その後長期的な恋愛関係に発展しにくい」というのは誰もが聞いたことのある話。それがなぜかという説は数あれど、やはり「結果（セックス）」から先にしてしまうと、そこにたどり着くまでの「経過（恋愛のプロセス）」が無視される、というのが大きいのではないだろうか。
そしてそこには、男性側からの「すぐにヤラせるような女は彼女（または嫁）にしたくない」という多少偏見混じりだがごもっとも、の意見もある。日本でもアメリカでも、「恋愛関係が欲しければ、すぐにHをしてはいけない」という説は「常識」になりつつあるのが現代のデート事情であり、多くの女性たちはこの常識を頭に入れてデートや婚活に臨んでいる、と言っても過言ではない。
しかし、その「常識」は本当に事実なのか？ と、そんなことまで調べようとしてしまった学者がアメリカのアイオワ州にいるというから驚きである。アイオワ大学の社会学者アンソニー・パイク氏は、アメリカ中西部に住む男女642人にアンケートを取った結果、「2人が恋愛に対して真剣な気持ちになるまでセックスを待った場合のほうが、恋愛関係の質が高い（＝幸せ）」という結論に至ったという。それは充分に理解出来る。しかし、パイク氏はその後、このアンケート対象者の中から「長期的な関係を誰とも持つ気がない」という人を抜いた場合、「出会ってからいつセックスをしてもその後の発展には関係がない」という事実を突き止めた、というのだ。
つまり、クラブなどで初めて会ってそのまま「お持ち帰り」になったとしても、それがたまたま正しい相手であったならば関係ない、ということである。それも分かるが、しかし女性側から言わせていただくと、出会ってすぐに深い関係になり、そこから恋愛関係を築くのが大変な点は、双方の「距離の取り方」の難しさにあるのではないだろうか。つまり、すぐに親密な関係になってしまうと、特に女性は相手に対する感情をコントロールすることが難しくなるのである。Hしてすぐ、女性にべったりされてうんざりした経験のある男性なら心当たりがあるはずだ。Hをしても決して恋人同士になったわけではない。そこから質の高い恋愛関係を築くに至るまでは、長～い道のりが待っているのである。
確かに、会ってすぐにHしたのが「正しい相手」で、双方が恋愛関係をそこからじっくり築いていく覚悟があるならばタイミングは関係ないだろう。しかし、そんな相手に出会う確率は高いのだろうか？ そう考えると、やはり簡単にセックスをするのは、感情的・肉体的なリスクが大きいのである。
それにしても、インターネットの出会い系サイトで会うアメリカ人男女の約30％が初めて会ったその日のうちにセックスをするということを聞いたことがある（この結果には、アダルト系サイトも含まれているのだろうか）が、いったい現代のアメリカ人男女は何を求めているのか。あなたが求めているのが「愛」であるならば、少しぐらいセックスをすることを遅らせても決して損はしないはずだ。
（文＝相馬 佳）
