『アイドル成瀬心美の童貞筆おろし』成瀬心美

 ファッション界同様、AV界にもさまざまな流行がある。美少女ブームに巨乳ブーム。熟女ブームに芸能人ブームなど。ところが、ここ数年は大きなブームが起きておらず、プチブームが約3カ月単位でとっかえひっかえ起きている。そして、ごく最近、やってきたプチブームが童貞喪失もの。ネットの功績とでもいうのだろうか? 各メーカーのホームページで公募した童貞くんを、有名女優が筆おろしするという作品が急激に増えている。

 その中でも、もっとも繊細で、もっともあったかい気持ちになれたのが、この作品だ。

「童貞さんたちはみんなピュア。本当に大切にしないと、傷つけてしまいそうだと思いました。忘れていたことを思い出させてくれて、逆に勉強になりました」

 そう話すのは、今回の主役、ここみんこと、成瀬心美ちゃんだ。まだ21歳の彼女にとって筆おろしという責務は重荷だったとエンディングトークで答えているのだが、この彼女の優しい人柄があってこそ、他の同様の作品と印象が大きく異なったのだ。

 登場する童貞くんは、口下手で彼女いない歴28年の28歳のフリーターをはじめ、男子校出身で出会いがなかったと話すシャイな24歳の大学生。また、初体験の機会はあったものの勃たなかったことがトラウマになり、セックス恐怖症になってしまったという28歳の会社員など5名。正直、百戦錬磨の熟女でさえ音をあげそうなツワモノ揃いで、セックスより先に女子とコミュニケーションさえとれないシャイボーイばかり。そんな彼らに対して、ここみんは肩を叩いてこう告げる。

「緊張してたら、あっという間に終わってて勿体ないよ!」

 きっと彼女はこの言葉を自分自身に言い聞かせていたに違いない。相手の緊張や興奮を共有しながら、いつもよりちょっとだけぎこちなく笑ってみせる。この顔が、とてつもなく愛おしく、観ている者までその緊張を共有したいという気持ちにさせていく。

 中折れ、暴発……。さまざまなトラブルに巻き込まれながらも、どうしても童貞君に素敵な想い出を作ってあげたいと頑張るここみん。探るようにフェラ奉仕し、丁寧にゴムを装着すると、ゆっくりと騎乗位で腰を沈めていく。最後には、ダブル筆おろし3Pという難関に挑戦するも、思いやりに溢れた笑顔とたしかなセックステクニックを駆使してやり遂げてしまう!

 最後に幸せそうにハニカム元童貞くんたち。こんなあったかい筆おろしができたなんて、本当に羨ましく思う。
(AV評:文月みほ)
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◆メーカー:マルクス兄弟◆品番:SMA-494◆時間:120分◆価格:2980円