「阿闍梨」という言葉を聞いたことがあるだろうか。これは、仏教などにおける指導者に与えられるもので、日本では天台宗の真言宗大阿闍梨である酒井雄哉氏が知られている。この酒井氏は、7年間で千日かけて約地球一周分もの距離を回峰するなどする「千日回峰行」という大変厳しい修業を、二度満行している。平安期以来、延暦寺の記録に残っている満行者は47名で、そのうち二度満行した者は僅か3名というのだから、その厳しさは容易に想像できるだろう。
そして、そんな阿闍梨の称号を、今年の3月8日に、あの発明家ドクター・中松が授かっていたことが、ドクター自身のブログにて、4月に報告された。チベット仏教ゲルク派のガンデン座主より、「金剛大阿闍梨」の位を授与されたというのだ。
しかし、先に記したように、「阿闍梨」には常人には決して為しえない難行である千日回峰行のイメージがあるからか、ドクター中松が本当に阿闍梨の位を授与されたのか? という問い合わせがダライ・ラマ法王日本代表部事務所に殺到したようだ。7月30日に、同事務所のウェブサイトにて、代表のラクパ・ツォコ氏が「ガンデン座主に事実を確認し、以下の連絡を頂きました」として、ガンデン座主からの手紙の写真および、「中松氏が私およびゲルク派の名前を装い、金剛大阿闍梨の地位を授かったという情報を流すことは正しくありませんので」などの内容が含まれた日本語訳を発表したのである。
インドの仏像を収め、7月末にドクター中松ハウス内に、「中松寺(ちゅうしょうじ)」を開山していたドクターにとって、ラクパ代表の声明は寝耳に水だったのであろう。ドクターは8月2日にブログを更新し、金剛大阿闍梨の授与の正当性を主張し、ラクパ代表が掲載した翻訳文は誤りであるといい、ガンデン座主の手紙の翻訳文も掲載した。そこには「ご存知のようにチベット僧の場合、20年仏教哲学を勉強した後で証書を与えられます。しかし外国人の場合、非常に立派な人には与えられます」などと記載がある。
果たしてどちらの主張が正しいのか? メンズサイゾー編集部から、「中松氏のブログの翻訳文はどなたが訳されたのか」「一般のファンが中松寺に参拝したい場合、どのようにすればよいのか」など数カ条の質問をドクター中松氏へ投げかけたところ、「現在、警視庁名誉毀損事件担当者との打合せに基づき、先ず質問状をダライ・ラマ法王日本代表部事務所代表 ラクパ・ツォコ 殿に送達したところです。ドクター・中松ホームページの経過書とこの質問状で、ご質問にお答えしていると思います」との回答だった。
質問状の内容は、8月3日付けで、中松氏のブログに掲載されているのだが、「1.中松先生は貴殿と全く面識もなく、全く知りません。なぜ中松先生の名誉と信用を傷つける事を行ったのですか?」から始まる10個の質問がラクパ代表になされ、「この件については、当方の弁護士4名の事務所に、ご連絡下さい」とある。
さすがのドクターも、授かった阿闍梨の位を、意図的な誤訳で貶められたとあっては黙ってはいられないのだろう。メンズサイゾーとしては、御仏のお導きによって法廷闘争などに発展することなく解決することを願っているが、8月6日0時の時点では、ラクパ代表およびダライ・ラマ法王日本代表部事務所の回答はまだない。真実が明らかになるのを待つよりほかないのだろうか。
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