インターネットカフェを利用する際、利用者の本人確認を義務づける「インターネット端末利用営業の規制に関する条例」(ネットカフェ規制条例)がこの7月1日から東京都で施行される。それに先立って、昨年8月に行われた調査によれば、本人確認を実施しているインターネットカフェ214店では、刑法犯の発生件数が1店舗あたり0.73件。未実施の323店は2倍以上の1.56件だった。
こうした数字だけを見れば、本人確認がインターネットを悪用した犯罪の抑止に効果的だ、という印象を受けるかもしれないが、それは大きな間違いだ。この調査で示されているのはあくまで「刑法犯」の数であり、いわゆる「サイバー犯罪」の数ではない。しかも、その「刑法犯」の85%はインターネットとは関係ない「窃盗」である。また、サイバー犯罪に該当するであろう「詐欺」は67件だが、これも都内で発生が確認されている「振り込め詐欺」全体の0.2%程度にすぎない。
要するにネットカフェ規制条例は、その名前から連想されるようなサイバー犯罪の抑制にはほとんど役に立たないのだ。わずかな数の犯罪も見逃さないというのであれば、電車内に監視カメラでも設置したほうがよっぽど効果的だろう。新宿区の某ネットカフェ店長はこう漏らす。
「5年近くやってるけど、犯罪なんてほとんどないよ。置き引きは何回かあったけど、それは飲食店だって同じだしねぇ。まぁ、うちくらいのトコでもそう簡単に潰れやしないだろうけど、売り上げは確実に落ちるよね」
経営側の憂いを裏付けるように、ネットカフェ難民のAさんはネットカフェ規制条例の施行にともなう問題点を提示してくれた。
「僕みたいな生活を長くしてる人は、みんな保険証持ってないですよ。住所がないから。だから免許も更新できない。本人確認できるものってなんにもない。これはもう僕らにホームレスになれってことですよ」
このように生活の大きな変換を無理強いされるヘビーユーザーがいる一方で、別な理由から足が遠のくと訴えるライトユーザーもいる。会社員のBさんは、
「うちは奥さんがうるさいから、AV観ようと思ったらネカフェ来るしかないの。だいたいのトコは観放題だからね。うん、もちろんその場で抜くよ。でも、免許証見せろってことになったら、さすがにオナニーはできなくなっちゃうなぁ(笑)」
また、「個人情報流出」のリスクに関しては、利用者も経営者も敏感だ。
「チェーン(店)じゃないネカフェとか、裏にどういう人がいるかも心配。具体的に何に悪用されるかってことも分かんないけど、住所とか知られるのはなんか気持ち悪いよ」(Bさん)
「この辺はバイトの入れ替わりも激しいし、外国人も多い。別に差別する気はないけど、ハナから個人情報を盗むつもりでバイトに来たって分かんないでしょ? それで最終的にこっちが訴えられて賠償請求なんてことになったら、店たたむしかないって」(某ネットカフェ店長)
効率が非常に悪いうえに、犠牲やリスクだけが大きいこの改正。いったい誰が得をするというのだろうか?
『ネットカフェで周りにバレないように声を押し殺してSEXする女子校生たち』
確かにいるよね、やってるコ