『人妻奴隷契約』横山みれい

 人妻が裏社会で売買されている悲痛な話なのか!? もしくは借金のカタにセレブ男のいいなりになっている鬼畜作品なのか!? タイトルからそんな物騒な妄想を膨らませてしまった皆様、申し訳ない。本作はそういう分かり易~いコンセプトではないのだ。何があったのか分からないが、貞淑顔した美人妻が目を潤ませながら妖しげな男と密会。真っ昼間からただならぬ関係に溺れていくという、人妻特有のドロドロっとした性欲を映し出す記録映像的な作品なのだ。

 シリーズ化もされ、人気の高い本作。これまでも何人ものワケあり妻が登場し、反応も様々なのだが、共通しているのは、全てマゾ妻であること。男と交わした「奴隷契約書」なるものを奪い返そうと必死に立ち向かうが、最後には必ず「セックス調教」と言う名の危険な快感に溺れてしまう。その泥沼に足を取られていく過程のスリリングな興奮こそが人気の秘密。難解な作品ではあるが、登場する人妻と同じように、観る者も気がつくとヌプヌプと沼にハマりこんでいるという具合なのだ。

 さてシリーズ最新作に登場するのは、デビュー当時から筆者が目をつけているフェロモン系美女の横山みれい嬢だ。無機質なスレンダーボディばかりがもてはやされる昨今。そんな中で、細身ながらもほどよく丸みを帯びた彼女の裸は、生々しいほどに肉の匂いを感じさせてくれる貴重な存在。本作の調教シーンでは、鼻をつまみたくなるほどプンプンと雌の匂いを漂わせ、五感から陶酔させてくれた。濃厚すぎるほど濃厚なセックスを魅せてくれるのだ。

 登場シーンでは、男に指図されるまま公衆トイレで生乳を晒し、羞恥に打ち震えていた彼女。豪華な部屋に連れ込まれ、武骨な男たちに美巨乳を荒々しく揉みしだかれると、フッとM気質が覚醒。そのままの流れで、弄んでいるだけとしか思えない屈辱的なセックスを強要されてしまうのだが、にも拘らず彼女は興奮を露わにしていく。尻を打たれながら、「ヒィッ」と艶めかしい悲鳴を響かせ、貪欲に腰をふる騎乗位は、無様に喘ぐほどエロティックに映るから不思議だ。激しい玩具責め、激しすぎる3Pの末、そっと指輪をはずした彼女。その理由は一切語られないが、その不穏な空気感もまたこの作品の魅力のひとつだ。

 そしてまた一歩、沼に足を取られた筆者であった。
(AV評:文月みほ)
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◆メーカー:ワープエンタテインメント◆品番:CWM-101◆時間:130分◆価格:2980円