イギリス発
イギリスの百貨店「デベンハムズ」が行ったリサーチによると、同国でかなり色気のない「女性用スカート付き水着」が前年以上に売れ行きが好調だという。一方の、ビキニの売れ行きは急速に下がっているらしいのだが、これが何を示しているかというと「不景気」であるそうだ。百貨店で売れる商品の傾向から、人々のライフスタイルの変化が浮き彫りになるらしい。
以前「隣人にセックスの騒音がうるさいと通報された」という人々の話を書いたが、ビクトリア朝時代の伝統や清教徒的なストイックな思考が未だに根強く残るイギリス、普段お堅い(振りをする)イギリス人たちは、周りの目や評判を常に意識しながら生きているという。それがどうして「スカート付き水着の売れ行き増加」に関係があるのかというと、不景気で海外にヴァケーションに出られないイギリス人、今年は近場で休暇を過ごす人々が急増しているからである。デベンハムズによれば、イギリス人女性は海外に行くと急に開放的になり、ビキニどころか54%がトップレスでビーチに寝そべるのも平気、ということだが、近場でヴァケーションとなると、うっかり知り合いにトップレスやビキニ姿を見られたら、何を言われるか分からない……ということで、スカート付き水着の登場となるわけだ。
「購入する水着の種類」で、ここまで細かな伝統的な文化背景や人間の心の揺れ、そして経済状態までが分かってしまうのが興味深い。デベンハムズの水着バイヤーによると、「今年、イギリスのビーチは1950年代の再来か、と見まがうような保守的な水着であふれるでしょう」とのことである。
(文=相馬 佳)
そういえば、シノラマはもうやらないのかな?