元JRA騎手で競馬評論家の岡部幸雄氏(61)の親戚で、グリーンチャンネル「中央競馬中継WEST」のキャスター・岡部玲子(30)がラジオ番組のディレクター(31)と入籍したことが1日、分かった。
所属事務所によると、2年前同局で知り合い、昨年10月に木曜パーソナリティーを務める番組の企画で一緒に自転車ロードレースに参加したことで意気投合。親密交際に発展し、昨年末にプロポーズを受けたという。挙式・披露宴、新婚旅行は未定で、会見も行わない。岡部は妊娠しておらず、今後も仕事を続けるという。
人気騎手だった岡部の名前は知っていても、よほどの競馬ファンでなければ、「岡部玲子って誰?」というのが正直なところだろう。しかし彼女、けっこう若いうちから芸能活動をしていた苦労人なのだ。
テレビ東京系列のオーディション番組『夢☆おうえん隊』(司会チェリッシュ)にて選抜され、同番組のアイドルグループ「ゆめっこ☆娘」の一員として、神戸みゆきらと共に活動。さらに、98年から99年にかけて、浅川ちひろ(後の浅川稚広)とアイドルユニット「ペパーミント 」を結成。その後、フジテレビ系列の『めざましテレビ』ではリポーターを務め、バラエティ番組からモデル、CMなどにも活躍の幅を広げていった。
こうして見ると順調にメジャー路線を歩んでいたようだが、実は彼女、お菓子系と呼ばれるB級アイドルとして、「Cream(クリーム)」(ワイレア出版)「ラッキークレープ」(バウハウス)といったお菓子系雑誌で人気だった過去がある。
お菓子系雑誌というのは「Cream(クリーム)」や「ラッキークレープ」、「ホイップ」(コアマガジン)、「ワッフル」(ぶんか社)など甘~いお菓子の名前が雑誌名になっているものを指す。90年代前半は「すッぴん」(英知出版)や、「Beppin-School」(同)、「スーパー写真塾」(コアマガジン)などの雑誌が、中高生の水着や制服、下着やブルマーなどのグラビアを掲載し、ブルマーと制服で”ブルセラ雑誌”と言われていた。それが90年代後半からは上記のお菓子がタイトルになった雑誌が相次いで創刊され、業界も活気付いた。
当時は中高生の新人アイドルが事務所に入ると、まずは英知出版に営業に行き、「すッぴん」で水着グラビアデビュー。その後その掲載誌を持ってメジャー誌に売り込むという一連の流れがあった。今や女優として活躍している酒井若菜なども英知出版でデビューし、その後、マンガ誌をきっかけに本格的にブレイクした口だ。もちろん、すべてのアイドルたちが同じ道を歩けるわけもなく、イマイチ売れなければ”お菓子系”でしばらくグラビア活動というパターンが多かった。岡部もそのひとりだったのかもしれない。
この手の雑誌は当時、とても人気があり、ヌードメインの雑誌よりも売れていた。当時を知る編集者は、「一番売れていたときで実売25万部以上でしたね。今では考えられませんが……」と寂しそうに語る。その後、さまざまな規制などもあり、現在、生き残っているのは「Cream(クリーム)」と「ホイップ」くらいだ。
谷口ともみ、相川みさお、江沢規予(現:江沢のりよ)、久保亜沙香etc、お菓子系アイドルとして一時代を築いた女の子たち。彼女たちの多くは消息すら分からない。そんな中、たとえ一般的な知名度が高いとは言えなくとも、こうした結婚報道が出る岡部玲子は、タレントとしては幸せな存在なのかもしれない。
(文=高田コウイチロー)
ノスタルジー