サンバクイーンはセックスシンボル? 7歳の女王をめぐって論争

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※イメージ画像 photo by Dustin Diaz from flickr

 ブラジル・リオデジャネイロで開催されるサンバカーニバルで、7歳の女の子、ジュリア・リラちゃんが有力チームのサンバクイーンに選ばれたことが物議を醸している。ドラム隊を率い、セックスシンボルとして露出度の高い衣装で踊るサンバクイーンに女児を起用することに、子どもの権利擁護団体などが異議を唱えたためだ。

 権利擁護団体は「子どものカーニバル参加に反対しているわけではないが、性的なイメージを喚起させるサンバクイーンに、子どもや10代の少女を起用することには断固反対する」とし、法的手段によってジュリアちゃんの起用を強制的に中止させることを表明。だが、裁判所の判事がジュリアちゃんの起用を許可したため、史上最年少サンバクイーンの誕生が決定した。

 ジュリアちゃんの起用には、6年前にライバルチームが12歳の少女をサンバクイーンに起用し、大成功を収めたことが関係していたようだ。今回の騒動では、サンバチーム側がジュリアちゃんに挑発的な衣装を着せないと宣言したが、カーニバルではサンバクイーンに起用されないまでも、多くの女児が露出度の高い衣装で参加している。

 一方、日本でも、浅草サンバカーニバルなどで女児が露出度の高いサンバ衣装を身に付けて参加している。普通に見れば微笑ましいだけのものだが、明らかに女児のみを狙ったカメラ小僧が出没し、保護者やスタッフら関係者を悩ませている。また、福岡の博多祇園山笠では、子供山笠での女児のフンドシ姿を盗撮する不届き者が増えたため、パトロールによって撮影禁止を徹底するなどの対策がとられている。

 どちらの祭りもテレビのニュースなどで取り上げられることが多いが、あるテレビ関係者はこう証言する。

「近年は子供の裸や半裸に対して規制が厳しくなっており、プロデューサーの判断にもよりますが、サンバカーニバルなどのニュースでも露出度の高い子供を映さないようにする傾向が強まっています。女の子だけでなく、昔は小さい男の子のチンチンは無条件で放送OKだったのに、今はほぼNG。過剰とも思えますが、メディアは人権擁護団体などからの圧力に弱いため、事なかれ主義で、そういう流れに従っているというのが正直なところですね」

 ブラジルの最年少サンバクイーン誕生にゴーサインが出たのは、挑発的な衣装を着せないと約束したことも大きいが、何よりもサンバクイーンを「わいせつ」としてしまうと、ブラジルの文化であるサンバカーニバル自体が”わいせつな祭り”であると公言することになってしまうことが最大の要因だったのだろう。

 祭りなどで女児を撮影して金儲けをしたりするのは論外だが、大多数の人は女児の姿を「微笑ましいもの」として捉えるはずである。女児のヌードや半裸をすべて「わいせつ」として扱いかねない現状は、かえって子どもの尊厳を傷つけることになりかねないだろう。

 子どもの人権を守り、児童ポルノの氾濫を食い止めることは間違いなく大切なことだが、抗議を恐れるあまり、人権擁護団体などの主張を鵜呑みにしてしまうケースが目立つのも事実。あまりに過剰と思える抗議には、しっかり「NO!」と言える空気をつくることも必要ではないだろうか。
(文=ローリングクレイドル/Yellow Tear Drops

『リオカーニバル ハメハメ大集合』

 
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