イギリス発
女性が豊胸手術を受けるのは、欧米ではもう珍しくもなんともない。手術を受けたことを隠すことさえしない人が多く、いかにも「偽」の胸を強調して街を歩いたり、ビーチに寝転んだりしている女性たちはかなり多い。
さて、女性たちは普通「小さな胸」にコンプレックスを抱くものだが、男性たちの場合その反対のことが起こるらしい。英語で「MAN BOOB」あるいは「MOOB」と呼ばれる「男乳」。イギリスの男性たちの間で、そんな胸の脂肪を除去する手術数が急増しているというのだ。
「ブリティッシュ・アソシエーション・オブ・エステティック・プラスティック・サージェンズ(英国美容整形外科医師会、とでも言うのか)」の統計によると、イギリスで2009年に胸の脂肪除去手術を受けた男性は判明しているだけでも581人、水面下の手術数を計算すると1,000人以上になるという。この数、5年前はたったの22人だったというから、いかに近年、男性たちがメディアの影響を受けているかが知れるというものだ。
完璧に鍛え上げられたセレブの肢体を見て自信をなくしたり、影響を受けたりするのは、どうも女性だけではないらしい。毎日「アバクロ(アバクロンビ―&フィッチ)」の広告に出てくる完璧な肉体を持つ男女や、格好いいことが仕事であるセレブたちの姿を脳に送り込まれていれば、自分へのコンプレックスが高まるのも無理はないだろう。
しかし、美容整形手術を受けたことによって自信が出るならば、それはそれでいいことなのかもしれない。ちなみに、欧米ではこの手術、約4,000ドル(約36万円)かかるという。
(文=相馬 佳)
読んでおいて損はない? そんな気分の日もあるよね