昨年2月、イタリア・ラクイラ大学の研究グループが「Gスポットは確かに存在する。だが、全ての女性に備わっているわけではないことが判明した」との研究結果をイギリスの科学誌に発表。さらに、超音波スキャンによってGスポットの位置を特定したことも明かし、ベッドテクニックに悩む世の男性たちを歓喜させた。
Gスポットとは、1950年にドイツの産婦人科医グレフェンベルクが発見した膣内の性感帯のことで、彼の頭文字から名付けられた。このGスポットを刺激すると、本来はあまり感覚がないはずの膣内で極度のオーガズムを得られるとされている。一般的には膣壁の前方上部、膣内に中指を入れて第二間接を曲げた辺りにあるといわれるが、位置は特定されていない。「俺はGスポットの場所を知ってる」と得意気になっている男性もたまにいるが、大体は女性の演技に乗せられているだけだったりする。
ところが最近、英キングス・カレッジの研究グループが、「Gスポットは妄想の産物」とする最新の調査結果を発表。この研究結果は、1,800人の女性を対象にした調査から結論付けられたもので、対象となったのは双子ばかり。「あなたはGスポットを有しているか?」と尋ね、双子の一方が「ある」と回答した場合、もう一方も同様の回答をする傾向があるはずとの想定で行われた。だが、その傾向は全く表れず、同じ遺伝子を持つ一卵性の双子の方が二卵性よりも同一の回答をする確率が高いということもなかった。
この結果から同グループは、Gスポットの存在を否定。「後天的にGスポットを手に入れられると主張する女性もいるかも知れないが、それを証明するのは実質的に不可能。この研究は過去最大規模であり、Gスポットが妄想の産物でしかないことを明らかにしている」とコメントした。
だが、Gスポットの概念を広めてきた性科学者は、「この研究結果はレズビアンやバイセクシャルの経験を無視しているなど欠陥があり、Gスポットの存在を否定するには不十分」だと反論している。
男としては、刺激すれば女性を確実に絶頂に導けるGスポットの存在を信じたいところだが、世界各国の名だたる研究機関が調査しても、いまだに存在の有無すら解明できない女体の神秘のようだ。
(文=ローリングクレイドル/Yellow Tear Drops)
あると信じたい