政権が民主党に交代し、子育て支援と教育手当ての一本化を表明している。今後、ますます家庭への手当てを厚くしていくとされており、同棲中のカップルなんかは「結婚して子どもを作った方が得策なのでは?」とも思えるが、筆者は敢えて、男性たちに「非婚」を勧めたい。
現在、婚姻件数は年間70~80万、離婚件数は20~25万の間で推移しており、これは実に結婚したカップルの3組に1組は離婚する計算になる。最近では家電の発達やコンビニ、ファーストフード飲食店の普及により、男の一人暮らしでも日常生活に支障はない。都内の地域包括支援センターで働くソーシャルワーカーに話を聞いた。
「昔から『結婚は人生の墓場』という格言がありますが(苦笑)、格差社会が進行する中、中流階級以下の男性にとっては、結婚のメリットが見い出せない世の中になってきています。子どもが大学を卒業するまでの経費は2,000万円程度が相場でしたが、最近では少子化により、ひとりの子どもにかける額が高騰し、一般家庭でも一子につき3,000万円程度をつぎ込むようになっています。自分一人で生活していく分には、月20万円の収入でもなんとかなるでしょうが、年収200~300万円程度の男性にとっては、結婚や子育てはとても厳しいでしょう」(前出・ソーシャルワーカー)
さらに住宅ローン、病気やケガに遭った時の医療費も家族の分を含め蓄えておかねばならないし、手塩にかけて子どもを育てても、定職に就かずニート化してしまった場合、金をむしり取られる一方だ。
仮に、愛する女性と出会って結婚を望んだ場合でも、相手と一生添い遂げられるかどうか熟考したほうがいい。「うまくいかなかったら別れればいいや」という恋人気分のまま結婚をすると、痛い目に遭う。
「もし離婚訴訟に発展した場合、明らかに不利なのは男性側です。離婚理由が妻側の不倫などの場合でも、確実な物証がない限り、夫が敗訴する確率は100%に近い。逆に、何の証拠がなくとも妻に『夫はDVをはたらいていた』と口撃されれば、これを退けることはかなり困難。これまで、実際に暴力をふるったことなどないのにDV加害者に仕立て上げられた、という男性も少なくありません」(都内弁護士事務所スタッフ)
夫から妻へ罵詈雑言など言葉の暴力があった場合、妻側にPTSDや精神障害をもたらしたと認定されれば、傷害罪として起訴される可能性もある。
さらにひどいのは、いわゆる「離婚産業」が間に介在するケースだ。配偶者のDVや浮気を工作するのが離婚産業の基本で、たとえば「別れさせ屋」の工作によって、夫が”DV加害者”にされてしまうことも少なくない。多くは妻側に夫以外の男性との恋愛が生じ、夫と離婚したいという時に、DV工作が行われるという。正直に夫に話せば多額の慰謝料を請求する恐れがあると考え、「別れさせ屋」に依頼するのだ。
互いの愛を確信し、永遠に愛し抜くことを誓って結婚した二人でも、片方が先に冷めてしまえば恐ろしい末路が待っている。結婚するというのは、もはや清水の舞台から飛び降りるよりも危険な行為なのかもしれない。
(文=紫夕暮)
もう人生がこわい