ご冥福をお祈りいたします

“クレしん”作者の訃報に「本当に事故死?」の声

kureyon.jpg『クレヨンしんちゃん Volume49 (アクションコミックス)』双葉社

 9月16日、国民的人気マンガ『クレヨンしんちゃん』(双葉社)の作者である臼井儀人氏が行方不明になり、捜索願が出されているというニュースが流れた。

 ネット上ではすぐさま話題となり、当初から「鬱病などによる意識的な失踪では?」「のりピーの件があったから、逃走という可能性も」「自殺してないといいけど……」など不謹慎な書き込みが相次いでいたものの、皆臼井さんの無事を祈っていた。

 だが祈りは届かず、21日、登山先の群馬県荒船山崖下で発見された遺体が、臼井さんであることが確認された。崖上から転落したと見られ、全身に骨折を負い、顔面も含め遺体の損傷は激しかったという。

 この訃報を受け、長年の『クレしん』ファンは悲しみに暮れているが、一方で「事故死ではないのでは?」と訝る声も未だにある。

 そもそも、元々はファミリー向けのギャグマンガであったはずの『クレしん』において、数年前からは気の毒で目を背けたくなるような展開があり、作者の精神状態が気に掛けられていた。その展開とは、主人公である野原しんのすけが通うアクション幼稚園の、まつざか梅先生の恋人がアフリカでテロに遭い死亡してしまうというもの。美人なのになかなか恋人ができないというキャラクターだったまつざか先生に、やっと素敵な恋人が現れ、作品中には二人の恋愛エピソードも数多く描かれていただけに、この物騒な展開は読者に衝撃を与えた。しかもこの回は恋人の訃報を知ったまつざか先生が「もうすぐあなたの所へ行くからね」と意味深に呟くシーンで終わっており、”自殺フラグ”か!? と、読者をさらなる困惑に陥らせた。

 この頃から、「臼井は鬱なんじゃないか?」という噂がネット上では囁かれ始めていた。テレビアニメとして人気を博していた『おじゃる丸』(NHK教育)の原案者、犬丸りん氏が仕事について苦悩した末に飛び降り自殺をしたことを受け、「ギャグマンガやギャグアニメを考える仕事は、想像以上につらいのかもしれない」という憶測も流れた。そうした経緯から、鬱病による自殺説が未だに流布されているという状況である。

 また、行方不明と報道された翌日に、スポーツ紙上では、臼井さんの近隣住民によるこんな談話が掲載された。

「臼井さんと妻は同じ新興宗教の熱心な信者で、多額の寄付も行っていた。自宅の隣にはその宗教施設もあり、土地も臼井さんが提供したと聞いている」
「この新興宗教をめぐって、入信を反対する臼井さんの母親と本人がたびたび口論になっていたようだ」

 この話が本当であれば、家族間には宗教上の対立による不和が生じており、それが原因で自殺に至ったのではないか、という可能性も否定はできない。

 一方で、非常に物騒な話ではあるが、他殺ではないかと声を荒げる者もいる。臼井さんが崖から転落する直前に撮影したと思われる一枚の写真がきっかけだ。

 遺体発見現場付近で見つかった臼井さんのデジタルカメラに、崖の上から下をのぞきこむように撮影された写真が残されていたのだが、崖の高さはおよそ120メートル。その高所から落下して、デジタルカメラのような精密機器が壊れていないことがおかしい、というのだ。つまり、カメラに残された写真は、「撮影時に足を滑らせ転落した」と思い込ませるために第三者が後から意図的に工作したものではないか、ということである。カメラ発見時に電源はオンになっており、ズームレンズも伸びたままの状態だったという。

 だが、これらの”可能性”はあくまでも推測の域を出ない。われわれにできることは、いたずらに故人の名を傷つける行為を慎み、静かに冥福を祈ることだけだ。

 

『映画 クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶモーレツ!オトナ帝国の逆襲 』

 
泣ける。

amazon_associate_logo.jpg

men's Pick Up