(製作:日活/監督:上垣保朗/公開:1982年)。
童貞の兄を翻弄する妹役を好演し、続編も出る大ヒットとなった
初期のポルノスターだった白川和子や宮下順子らが、一般映画やテレビドラマで活躍した意味は非常に大きい。
された『ラブレター』(製作:日活/
監督:東陽一/公開1981年)。
関根恵子と加賀まりこが出演している
弱肉強食の芸能界において、生き残ることは容易ではない。それ以前に、知名度が上がらないまま引退する者も数え切れないほどだ。そんな同業界にあって、当時ではにっかつロマンポルノで活躍することが”スターへの登竜門”のひとつだと捉える風潮が少なからず存在していた。
ポルノ女優が、いわゆるフツーの芸能人として活躍することは決して珍しくない。もちろん、成人映画で濡れ場を演じたという事実がある以上、色眼鏡で見られることもあった。
しかし、現在のようにAV女優がタレント転身を試みるケースに比べれば、当時のポルノ女優の方がはるかに受け入れられやすかった。この点で、いかにAVと成人映画が似て非なる存在かが窺える。つまり、にっかつロマンポルノは映画作品としての地位を確立していたというわけだ。
「ポルノ女優」から「女優」へと転身した代表的な人物は、何と言っても美保純だろう。
日活/監督:山城新伍/公開/
1983~84年)岩城滉一との濡れ場
のほか、レズ演技も披露している
静岡から上京後、スカウトされて芸能界に入った彼女は、1981年にロマンポルノの『制服処女のいたみ』で主演デビュー。当時21歳、愛らしいルックスと豊満ボディーのギャップで人気を博した彼女は、翌年に主演した『ピンクのカーテン』で一躍ポルノスターの仲間入りを果たした。
だが、若者を中心に支持を集めた彼女の人気はポルノ界にとどまらなかった。同年の82年、彼女は「日清焼きそばU.F.O.」のテレビCMに起用されたほか、国鉄バス「ドリーム号」のポスターにも採用されたのだ。
当時、生え抜きかつ現役のポルノ女優がCMに抜擢されることは非常に珍しいことだった。その後は演技力が評価され、84年に松竹の人気シリーズ『男はつらいよ』でタコ社長の娘役として準レギュラー入りを果たすなど、現在に至るまでの活躍は言うまでもない。
初出演して話題となった『待ち濡れ
た女』(製作:日活/監督:
上垣保朗/公開1987~88年)
なお、彼女のように生え抜きではないが、ロマンポルノで濡れ場を演じた経験を持つ女優は、加賀まりこ・室井滋・関根(現・高橋)恵子・早乙女愛などが有名だ。また、清純派アイドルの天地真理が『魔性の香り』(85年)でポルノデビューしたり、人気歌手の中村晃子が『待ち濡れた女』(87年)で濃厚な絡みを熱演したりと、大胆な起用で話題を集めることもあった。
ちなみに”端役”としては意外な男性芸能人の出演も多い。84年公開の『愛染恭子の未亡人下宿』には、タモリ・所ジョージ・大竹まこと・立川談志など、現在では大御所となったタレントたちの若かりし姿が確認できる。
蒼井そらヴァージョン