首都神話　第9夜

旅行雑誌が教えない沖縄【裏】ガイド

カルチャー 2009年08月18日

photo by snotch from flickr

　夏の旅行。みなさんはどこに行きたいですか？　海外旅行、国内旅行といろいろ選択はあると思いますが、今日ご紹介したいのは沖縄の裏ガイドです。

　沖縄旅行といえば、レンタカーを借りて、美ら海水族館や首里城などの観光地をまわり、リゾートホテルに宿泊するのが一般的なコースだと思われます、しかし沖縄には、観光ガイドには載っていない、首都神話的スポットが存在するというのです。

　まず那覇空港に着いて、みなさんがすることは交通手段の確保でしょう。レンタカーを借りるか、バス・タクシー・モノレールでの移動にお金をかけるはずです。確かに沖縄の交通機関は本土に比べると安いです。しかし、2泊3日や3泊4日など、日を重ねると、それなりにお金がかかってしまいます。そこでみなさんに探してほしいのが「ヨンゴーマルおじぃ」と呼ばれる伝説のおじいちゃんです。

　ヨンゴーマルおじぃ。白髪で少しやせ細ったこのおじぃは、タクシーの運転手である。しかし現役の運転手ではありません。元・タクシー運転手、もしくは元・タクシー会社の社長と呼ばれていて、3日間拘束しようと4日間拘束しようと450円で観光案内をしてくれるといいます。450円は沖縄のタクシーの初乗り運賃。おじぃはタクシー会社を引退したあとも、観光客に沖縄の良さを紹介したい一心で、450円という運賃で今でもタクシー案内をしているというウワサになっています。しかし、このヨンゴーマルおじぃを見つけるのはかなりむずかく、いつ、どこにあらわれるのかは未だにわかってないそうです。沖縄の那覇空港に着いたら、ぜひ一度はヨンゴーマルおじぃを探して格安の沖縄旅行を体験してみてください。

　ヨンゴーマルおじぃのように、知る人ぞ知る沖縄の裏名物はまだまだ存在します。そのひとつが「幻のそば屋」です。沖縄に行くと数多くの沖縄そばの店があり、ガイドブックやインターネットにはおいしいそば屋の情報が常に更新されています。しかし、ガイドブックにもネットにも載っていない伝説の沖縄そば屋が存在するというのです。

　その幻のそば屋さんは、バスを改造した移動式パーラーになっており、おじぃとおばぁの2人で営業しているといいます。看板もなにもでていないパーラーでは、沖縄そばの大と小しか売っていません。たまたま立ち寄った地元の客がその味に感動し、口コミで広がったそうですが、その移動式のパーラーは定位置での販売をせず、見つけるのが困難なことから、幻のそば屋と呼ばれるようになったそうです。一度その沖縄そばを食べた人は、他の沖縄そばを食べても満足がいかないほど、その味に魅了されるといいます。

　ある観光客が、その幻のそば屋を見つけ、あまりのおいしさに味をマネしようとおじぃに材料を聞いたそうです。しかし、おじぃは断固として口を割らなかったそうです。どうしてもその味の元を知りたかった観光客の青年は、営業が終わったパーラーを追け、おじぃの仕入れを見るために一日中行動を監視していたそうです。そこでわかったことはひとつ。おじぃは某有名チェーン店の裏口に車をつけ、店長らしき人物から大量のチキンの骨を調達していたというのです。その骨は使用済みのものなのか、客が食べたあとのものなのか。いずれにせよ、一度食べたら忘れられない幻の沖縄そば。沖縄に行ったらぜひ、看板のないパーラーを探してみてはいかがでしょうか。
（文＝キャン×キャン長浜）

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